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2012/10/28 3歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    東京 B
  • 芝2000m
    左回り
  • 稍重
    見込み
コース図
このコースはとにかくスタート直後のコーナー。外枠、とくに先行馬にはかなり厳しい影響を受ける。スタミナがある程度備わっておれば、スピード馬でも対応可能。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   ナカヤマナイト 牡4 58.0 柴田 善臣
1 02   シルポート 牡7 58.0 小牧 太
2 03   ネヴァブション 牡9 58.0 三浦 皇成
2 04 フェノーメノ 牡3 56.0 蛯名 正義
3 05   サダムパテック 牡4 58.0 武 豊
3 06 ルーラーシップ 牡5 58.0 メンディザ
4 07   アーネストリー 牡7 58.0 佐藤 哲三
4 08   ジャガーメイル 牡8 58.0 石橋 脩
5 09   ダイワファルコン 牡5 58.0 北村 宏司
5 10 × フェデラリスト 牡5 58.0 横山 典弘
6 11   ジャスタウェイ 牡3 56.0 内田 博幸
6 12 × エイシンフラッシュ 牡5 58.0 デムーロ
7 13 ダークシャドウ 牡5 58.0 福永 祐一
7 14 × トランスワープ セン7 58.0 大野 拓弥
7 15   トーセンジョーダン 牡6 58.0 スミヨン
8 16 カレンブラックヒル 牡3 56.0 秋山 真一郎
8 17   マイネルスターリー 牡7 58.0 松岡 正海
8 18   トゥザグローリー 牡5 58.0 岩田 康誠
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
MH
ミドルハイ
中盤でもペースが緩むことはなさそう。淀みないペースが続き、早めの流れもこのレースなら想定内の範囲か。
信頼度
C
穴馬警戒
現状調子の出ていない実績馬に名手や、外国人ジョッキーが乗る。これらの思わぬ好走による波乱も怖い。
予想本文 

 凱旋門賞に挑戦したオルフェーブルが不在で、絵に描いたような「鬼のいぬ間・・・」のはずが古馬の有力各馬は軒並み今ひとつの状態。前哨戦が思わしくなかったり、休養明けでここからの始動だったりののんびりムード。そんな中、勢いのある3歳勢2騎が参戦。レベルが高いといわれる3歳世代がここでどのようなレースをみせるかが注目の天皇賞・秋。

 本命には古馬陣を代表してダークシャドウ。札幌記念を一度使い、順調度では古馬陣の中では1番といっていい。加えてどこからでも競馬が出来る点と、昨年のこのレース2着を含む安定した成績は本命に足る十分な実績と言っていいだろう。札幌記念は後方からマクられての敗戦だったが、ひとまず先行して自分でレースを作れた点に収穫があった。今は馬が大人になり、昨年よりもずっと安定感が増した。前走から間が空くことと、ややパンチ力に欠けるところは否めないが、軸としては申し分ない存在。

 オルフェーブルの後塵を拝したが、宝塚記念での2着はいよいよ本格化を思わせたルーラーシップ。叩いてから良くなるタイプにみえるため、ぶっつけのここは割引かざるを得ないが、オルフェーブルがいないとなれば実績的には最上位の存在。いくら香港でG1勝利があるとはいえ、国内G1はなんとしても欲しいタイトル。そうのんびりとも構えてられないはず。東京コースはこの馬にとってはやりやすいはずで、いきなりの好走も十分期待できる。鞍上も有馬記念の雪辱を果たす機会を得た。

 スカイディグニティが菊花賞を2着したことで、同馬に完勝しているフェノーメノはさらに価値が高まった。菊花賞を回避し、古馬との対戦のリスクをとっても遠征のない競馬を選んだ。それだけに簡単には負けられない背景がある。ダービー2着の実績を出すまでもなく、ハイレベルといわれる3歳世代のトップクラスの地力の持ち主。過去には脚を余して敗れるケースもあったが、東京コースで今の完成度ならその点には不安はなさそう。純然たる古馬との力比べとなるだろう。むしろ斤量差という大きなアドバンテージを得ている。

 5戦負けなし、かつ連動性の高い毎日王冠、それも豪華メンバーの中、完勝してみせたカレンブラックヒル。ただ、いかにも危ない人気馬であることも否めない。先行馬にとって致命的となる外枠、加えておそらくかなり早い流れが想定され、差し馬有利の情勢。3歳馬である点、そしてやはり距離という不安要素が介在する。それでも、それを差し引いてありあまるほどのインパクトがあったのが前走の勝利。今回の予想と同じく淀みのない、差し馬に圧倒的な有利な早い流れであるにも関わらず、終始早いラップで押し切った。今回はどうしても背負ってしまう人気と外枠を懸念して評価は下げたが、この馬の能力はかなり高い。

 毎日王冠では4馬身差9着と振るわなかったエイシンフラッシュだが、それでも1度使ったという点は評価できる。一応上がりも33秒台ではあり、2番人気だった点を考慮すれば物足りないが、巻き返しはあってもおかしくはない。

 重賞連勝のトランスワープ。古馬実績馬が今ひとつの現状、この馬の勢いを買う。ローカルとは言え、小回りの函館と、長い直線の新潟とでそれぞれ味のある競馬ぶりを披露した。差し馬に脚質転換してからのスパッと切れる脚はやはり魅力的。この相手でどこまで通用するか注目したい。

 さすがに負けすぎの前走も、ガラリ一変が怖いフェデラリストを大穴で一考したい。元来中距離は得意で、前2走はまるで競馬になってないだけに、逆の怖さがある。

 トーセンジョーダン、トゥザグローリー、ジャガーメイル等、順調ならもっと注目されるべきはずの実績馬がどうにも不気味ではあるが、いずれもここは一度叩いてからの感が強い。人気的に旨味あれば、ヒモ程度には押さえてもよさそう。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単
軸2頭マルチ:

13=06
→04,16,12,14,10
(30点)

13=04
→06,16,12,14,10
(30点)
古馬陣が今ひとつの中、3歳2騎に目がいくのは仕方ない。しかしここは敢えて古馬の代表格2頭を本命、対抗に据えた。特にダークシャドウは順調度、実績から比較的迷い無い本命。一方、ルーラーシップは休み明けの分、少々迷いが生じた。ここに3歳2騎が並んでほぼ横一線の評価。正直、カレンブラックヒルが人気がなければ本命にとまで考えてはいたが、さすがに無敗馬は人気を背負うようだ。フェノーメノもしかりで、実力は十分認めているものの、人気とのバランスを考慮して、上記の評価とした。
馬券的にも難しいところだが、ダークシャドウの軸は確定。3連単2頭軸マルチながしで、ひとまず相手をルーラーシップとフェノーメノとする。
また本文でも述べたが、波乱があればやはり実績馬の巻き返しで、このあたりも一応は押さえておきたいところ。
2012/10/21 3歳オープン 馬齢 指定 国際
施行コース
  • 11R
    京都 A
  • 芝3000m
    外・右回り

  • 見込み
コース図
スタート直後のコーナは外枠には厳しい。ただ、長距離ゆえ取り返すことも十分可能。
坂の上り下り、正面スタンド前など、距離以外にも難敵が潜む。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 ゴールドシップ 牡3 57.0 内田 博幸
1 02   フェデラルホール 牡3 57.0 吉田 隼人
2 03   ベールドインパクト 牡3 57.0 四位 洋文
2 04   ラニカイツヨシ 牡3 57.0 佐藤 哲三
3 05   アーデント 牡3 57.0 デムーロ
3 06 ロードアクレイム 牡3 57.0 福永 祐一
4 07 × エタンダール 牡3 57.0 松岡 正海
4 08   ニューダイナスティ 牡3 57.0 浜中 俊
5 09   フジマサエンペラー 牡3 57.0 池添 謙一
5 10 マウントシャスタ 牡3 57.0 川田 将雅
6 11   ビービージャパン 牡3 57.0 武 幸四郎
6 12 × コスモオオゾラ 牡3 57.0 岩田 康誠
7 13   ダノンジェラート 牡3 57.0 三浦 皇成
7 14   ミルドリーム 牡3 57.0 江田 照男
7 15 × ユウキソルジャー 牡3 57.0 秋山 真一郎
8 16 スカイディグニティ 牡3 57.0 メンディザ
8 17 タガノビッグバン 牡3 57.0 太宰 啓介
8 18   トリップ 牡3 57.0 小牧 太
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
S
スロー
長距離ゆえのスローペースは間違いないが、その分上がりの競馬になりやすく、高い瞬発力が要求される。
信頼度
C
相手不在
確固たる軸馬がいるとはいえ、他は大混戦。不確定要素も多く、意外に困難。
予想本文 

 ワールドエースが屈腱炎で早々に戦線離脱、そしてダービー2着セントライト記念を勝ったフェノーメノも回避、トーセンホマレボシはすでに引退。そしてついにはダービー馬、ディープブリランテまでもがいなくなり、春の有力馬組では皐月賞馬ゴールドシップのみとなってしまった。菊花賞では夏を越えた新勢力と春の実績組との対決が見どころではあるが、今年は1強としてゴールドシップが他馬の挑戦を一手に受けることとなる。

 神戸新聞杯を圧勝して春の実績組ではただ一頭、それも強烈に順調度をアピールしたゴールドシップ。春のライバルはすべていなくなり、完全に一本かぶりとなってしまった。他馬から徹底マークされる状況は好ましいものではなく、最内枠も差し馬のこの馬には微妙なところもある。ただ、外枠よりはずっとよいだろうし、持てる地力差から、この程度は問題にしてほしくない。ダービーは5着に敗れたが、その脚色はワールドエースと同等のもので、着順以上に強い内容だった。加えて前走の内容からも、ここでは盤石な地位といっていいだろう。ただ、京都3000mはこの馬にとっても未知で、今や荒れるのが定番の菊花賞。超スローで上がり勝負になり、最内で包まれるようなら、ダービーと同じく差し届かないケースもありえるだろう。新興勢力にこの馬を脅かすほどの存在が見当たらないため不動の本命には違いないが、この圧倒的支持率ほどには楽観視はできないともみている。地力差と好枠を活かして先行押し切りが出来れば理想だ。

 ポイントとなる対抗格だが、前走セントライト記念を14番人気ながら2着と好走したスカイディグニティを抜擢。正直、まだ全幅の信頼を寄せきれないところはあるのは否めない。だが、6着に敗れた前々走が前が止まらないスローペースだったことを考えれば、ここでの評価もそれなりに説得力は持つだろう。セントライト記念組はあまりこのレースに結びつかない面もあるが、フェノーメノが出ていれば、ここではかなりの有力馬となったはず。その相手を果敢に追い上げた最後の末脚には見るべきものがあった。外枠は歓迎材料ではないが、スタートさえスムーズなら。

 このメンバーなら地力的にはNo2といっていいマウントシャスタだが、やはり距離への不安はどうしても払拭できない。だが、逆にそれで多少なりとも人気が落ちるようなら、やはり狙い目となる。懸念される気性面も緩和されつつある現状に期待したい。距離不安さえ除けば前走完敗のゴールドシップにはともかく、このメンバーなら他馬にはそう簡単に譲れない。神戸新聞杯で一度使った効果は大きく、調教過程の動きもよい。

 父はフジキセキも、母系にリアルシャダイの入るタガノビックバンは、いかにもこのレースで活躍するタイプの上がり馬。特に前走は素晴らしい3馬身差の完勝っぷり。立場的には格下の存在だが、今の充実ぶりなら十分好勝負できそう。先行脚質だけに外枠は痛いところだが、折り合い不安がなく長距離レースに対する安心感が相殺する。

 神戸新聞杯2着のロードアクレイムは、その勢いだけでなく、母がオークス馬というしっかりとした血統背景も後押し。距離的な不安はほぼないといっていいだろう。勝ち馬ゴールドシップには離されてしまったが、菊花賞では神戸新聞杯での順位はあっさり入れ替わることもザラなので、そう悲観する材料とは言えない。加えてこのメンバーなら、なおさら臆する必要はないだろう。ただ、その根拠も前走の好走実績のみであるため、ここは真価を問われる一戦となる。

 ぶっつけでも、コスモオオゾラも侮れない地力の持ち主。直前で代役となった岩田騎手がより怖さを倍加させる。休養明けだけに当日の馬体重には注意を払いたいところだが、春の実績馬が軒並み不在の中であれば、弥生賞馬の看板も大きくなってくる。皐月賞、ダービーでも大きく負けてないだけに、新興勢力に力がなければ浮上してくる。

 エタンダールも大駆けムードが漂う。母系にモンジューで、日本不向きの重目の欧州血統だが、スタミナには不安なく、これからさらなる成長も見込める可能性を秘めている。元々長距離を意識的に使われ、前走で一叩き。そこでは敗れたが、本番を意識した走りで無理はしていなかった。やはりここでの巻き返しは怖い。

 ちょっと当てにならないところもあるが、ユウキソルジャーも押さえておきたい一頭。前走、神戸新聞杯は勝ち馬とは1秒以上離されているので、4着といえども喜べない結果ではあるが、ステイヤー資質が高そうで、3000mとなるとさらに良さが出てきそう。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単
軸2頭マルチ:

01=16
→10,17,06,12,07,15
(36点)

01=10
→16,17,06,12,07,15
(36点)

3連単ということを考えれば、やはり人気でもゴールドシップの軸は不動だ。ただ、2頭軸の相手となる対抗格がどうにも不在。ゴールドシップの1着固定を割り切ることができれば、後は相手を数頭変えての全ながしでよいのだが、それは誰でもおこなう戦略ともいえ、3連単でもオッズ的には軒並み低い状況。
ゴールドシップが2着、3着だったことの旨味を考えれば、こういうときこそ3連単は1着固定よりも、マルチながし勝負をしてみたい。

というわけで、ゴールドシップ、スカイディグニティでの2頭マルチながし。相手をマウントシャスタに変えて押さえとしたい。
ただ、この場合、点数が増えてしまい、順当にゴールドシップが1着の場合、元本割れリスクも高まる。
つまり結局は強気の勝負は避けたいレースともいえよう。

2012/10/14 3歳牝馬オープン 馬齢 指定 国際
施行コース
  • 11R
    京都 A
  • 芝2000m
    内・右回り

  • 見込み
コース図
牝馬には微妙なゴール前からのスタート。
また、内回りで直線が短い。差し馬でも届かないことはないが、4コーナーで仕掛けられる器用さが必要。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 ヴィルシーナ 牝3 55.0 内田 博幸
1 02 × アロマティコ 牝3 55.0 佐藤 哲三
2 03   ブリッジクライム 牝3 55.0 大野 拓弥
2 04 × ハワイアンウインド 牝3 55.0 ピンナ
3 05 × ラスヴェンチュラス 牝3 55.0 川田 将雅
3 06   チェリーメドゥーサ 牝3 55.0 小牧 太
4 07   トーセンベニザクラ 牝3 55.0 武 豊
4 08   キャトルフィーユ 牝3 55.0 四位 洋文
5 09   ダイワズーム 牝3 55.0 横山 典弘
5 10 × ハナズゴール 牝3 55.0 田辺 裕信
6 11   サンシャイン 牝3 55.0 浜中 俊
6 12   アイスフォーリス 牝3 55.0 松岡 正海
7 13   メイショウスザンナ 牝3 55.0 福永 祐一
7 14 ジェンティルドンナ 牝3 55.0 岩田 康誠
7 15 × ミッドサマーフェア 牝3 55.0 蛯名 正義
8 16   サトノジョリー 牝3 55.0 秋山 真一郎
8 17 アイムユアーズ 牝3 55.0 池添 謙一
8 18   オメガハートランド 牝3 55.0 石橋 脩
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
Ms
ミドルスロー
飛ばす馬が不在。比較的ペースが速くなりがちなこの舞台設定でも落ち着いた流れが予想される。
信頼度
B
本命戦
信頼できる軸に加え、脇を固める対抗馬も堅そう。
穴馬の出番は少なく、からんでも複勝圏に1頭程度か。
予想本文 

 桜花賞前までは確かに混戦ムードだったはずが、気づいてみれば3冠牝馬が誕生しようとしている。 アパパネの時と似たようなムードが漂っているが、今度の本命馬は前哨戦をしっかりと完勝してみせた。当然ながら、3冠達成はより濃厚と人気を一身に集めるが、そんな時こそ落とし穴も潜むものでもある。
果たして今年の秋華賞は・・・。

 やはりどう考えてもジェンティルドンナの本命は致し方ない。当面のライバルであろうと目されるヴィルシーナをはじめ、このレースの出場馬が6頭も出ていた前哨戦のローズSで完勝。またその勝ち方があきらかにここを想定した終始先行しての勝利。この馬につけいる隙があるならば、差し脚質ゆえの京都の内回りだろうと考えていたのだが、死角がなくなってしまった。あのレースぶりが可能なら、阪神外から京都内に移ることは、よりその結果を盤石なものにする。無論、勝負事なので絶対はないが、敗れても2着までではなかろうか。3着はもう波乱の範囲だろう。

 本命馬の3冠を阻むならば、やはりこの馬しかないであろうヴィルシーナ。前走は2着とはいえ大きな差を感じたが、相手の先方は奇襲といっていいものでもあったし、休養明けの18キロ増、コース代わりを踏まえると上々の結果だろう。今回は良くも悪くも最内枠。これを好枠と転じることさえできれば十分逆転も可能。もともと器用なタイプの先行馬だけにこの舞台は願ってもないはず。オークスではまさかの5馬身差をつけられた相手だが、常に2着に甘んじてきた陣営の執念を買う。逆にそれゆえに2着はいらない競馬をされるとリスクも増すのは難点といえば難点。

 至極真っ当だが、3番手もやはりアイムユアーズ。桜花賞、オークスで上記2頭と差の無い競馬。前走では古馬と1戦を交え、軽量の恩恵もあったとはいえ、順当に勝利することができた。すでに春の時点で見せていた高い地力を、一夏超してさらに上回る好調ぶり。枠が外枠になったことは気がかりといえば気がかりだが、上記2頭以外にはそうそう先着を許すこともないだろう。好勝負を期待したい。

 3強とまではいわないが、上記3頭はやはり頭一つ抜けている感がある。一方他馬に目を移すと、この辺りは伯仲模様。

 オークス1番人気だったミッドサマーフェアは、大敗したオークスは度外視したとしても、前走の敗戦は微妙なところ。とはいえ、それなりに地力は見せたし、この一叩きで代わってくる気配も漂う。人気との兼ね合いが難しいが、やはり捨て切れぬ存在には違いない。

 もう少し評価をつけたかった期待馬がラスヴェンチュラス。前走、ローズSでは落鉄しながら本命、対抗馬を追い詰める3着は立派。しかし、この京都内回りではやはりこの馬の魅力は半減してしまう。有力馬はすべて前にいるだけに先行激化してくれれば・・・といったところか。

 毎度毎度、後方からのレースとなるアロマティコだが、その分、末はしっかりしたものを持っている。前走は1番人気を裏切る3着だが、直線届かずの展開で、最後の強襲は地力をみせつける内容だった。このメンバーでどこまで通用するかは未知だが、有力馬と勝負付けの済んでしまった馬より楽しみは持てそうだ。

 展開の助けが必須とはいえ、ハナズゴールはやはり脚質的に油断できない怖い一面がある。
今回、有力馬は軒並み先行勝負するだけに、この馬の無欲の直一気は警戒。
特に、古馬一流どころを相手に、小回りの札幌記念での4着は相当評価していい内容。

 連勝での人気がやや気にくわないものの、ハワイアンウインドの今の勢いも無視できない。デキもよさそうというのもあるが、やはり外国人ジョッキー乗り替わりはどうにも不気味。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単
1・2着ながし:

1着:14
2着:01
3着:17,15,05,10,02,04
(6点)

1着:01
2着:14
3着:17,15,05,10,02,04
(6点)

1・3着ながし:
1着:14
2着:17,15,05,10,02,04
3着:01
(6点)
 調教も素晴らしく、付けいる隙の見当たらないジェンティルドンナの3冠達成はかなり濃厚とみるも、それだけに馬券の絞り込みが必要となる。
 本命馬を負かすことができるのはヴィルシーナとして、この2頭の1・2着ながしの裏表で3連単本線。ヴィルシーナ3着というケースはありえそうなので、1-3着ながしも押さえておく。
 印的には相手は6点まで絞ったが、オッズ次第ではもっと手広くいってもいい。
2012/9/30 3歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    中山 C
  • 芝1200m
    外・右回り

  • 見込み
コース図

短い距離ながら、いきなり下って、最後に急坂というシビアなコース。

逃げ一手は厳しいが、基本的には先行抜け出し型が有利。

馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 マジンプロスパー 牡5 57.0 福永 祐一
1 02   フィフスペトル 牡6 57.0 蛯名 正義
2 03   ドリームバレンチノ 牡5 57.0 松山 弘平
2 04 × サンカルロ 牡6 57.0 吉田 豊
3 05 ラッキーナイン セン5 57.0 プレブル
3 06   エーシンヴァーゴウ 牝5 55.0 内田 博幸
4 07 × リトルブリッジ セン6 57.0 パートン
4 08 × スプリングサンダー 牝5 55.0 四位 洋文
5 09   サンダルフォン 牡9 57.0 酒井 学
5 10   ブルーミンバー 牝7 55.0 松岡 正海
6 11   パドトロワ 牡5 57.0 安藤 勝己
6 12   キャプテンオブヴィ セン7 57.0 チャベス
7 13 ダッシャーゴーゴー 牡5 57.0 横山 典弘
7 14 カレンチャン 牝5 55.0 池添 謙一
8 15   エピセアローム 牝3 53.0 武 豊
8 16 ロードカナロア 牡4 57.0 岩田 康誠
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
H
ハイ
半ば当然のハイペース。 それでも前が残る公算が高いだけに、よりその傾向に拍車が掛かる。
信頼度
C
上位拮抗
上位陣の地力は拮抗も、有力馬が比較的外枠に集中してしまった。
内枠からの穴馬出現も警戒が必要か。
予想本文 

 凱旋門賞に向けオルフェーヴルが順調な滑り出しを見せた一方、残された国内では鎬を削ったウインバリアシオンが骨折、アパパネ、ヒルノダムールの相次ぐ引退と寂しいニュースが続いた。
それでも次世代のスターを輩出すべく、レースは開催され続ける。
秋G1シリーズ 第一戦は電撃戦のスプリンターズS。

 高松宮記念では女王に敗れたが、ロードカナロアが主役だった。
その後の2戦も勝利こそないがきっちりと自分の競馬はこなしており、その地力は変わらず国内トップレベルだろう。スプリント戦だけに僅かの紛れで着順は変わる。それだけに人馬含めた安定感をまず第一に信頼したい。その意味ではこの馬が本命となるのは自然の流れ。
坂のあるコースが不安視されているが、それほど気にする材料ではなく、 それよりも、やはり外枠であることが気になる。
積極的に前へ進めての好位差しが好走パターンだけに勝利するには大きな壁がある。それゆえ複勝圏キープの安定感を買っての本命視ではあるが、今の調教過程の好調さがさらに後押しする。

 やや思い切って海外参戦馬のラッキーナインを対抗格とする。
安田記念では惨敗したものの、このレースとは異質でもあるし、むしろ昨年のレースぶりを参考にしたい。前を行く馬によられながらも5着は見どころのある内容で、次走では地元香港でカレンチャンを一蹴。日本の馬場適性には不安感は少なく地力もある。先行馬とはいえ、やや後から競馬をする馬だけに、休養明けがやや不安も好勝負が期待できる背景にある。

 スプリントG1連覇のカレンチャンが主役であることにはもちろん異論はない。
前走4着も5ヶ月休養明けとしては上々だし、相手はすでに昨年勝負付けが済んでいる。
実績的にも叩き良化型は明瞭で、ここでの1番人気は仕方が無いだろう。
しかし・・・あまりにも上手く行きすぎてる感がどうしてもぬぐえない。
究極のスピードレースであるスプリント戦において、ピークは短いはず。
無論、5連勝した昨年と同じ状態なら群を抜くが、おそらく今回の良化で上積みを見込んでも他有力馬との差はあまりないのではないだろうか。
それでも、もしスプリントG1 3連覇を成し遂げてしまうなら、この馬には脱帽せざるを得ない。

 善戦マンを抜けきれないがダッシャーゴーゴーもスプリントでは屈指の実力馬。
一瞬のキレ味が武器の馬だけに仕掛けどころが難しいが、近走の成績は安定してきた。
昨年のこのレースは、あのロケットマンの2番人気だった馬であることを忘れてはならない。
当時はちぐはぐなレースぶりで惨敗してしまったが、変わりないメンバーでの再戦となれば、ここは見直しの一手。

 マジンプロスパーは前走のセントウルSではカレンチャンより人気を背負いながら大敗してしまった。そのためここで大きく人気を落としている格好だが、捨てきるのはどうか。
逃げ身上のタイプだけに、有力馬につかず離れずで追われると辛いものがある。
それが、大レースではマイナスに働いてしまうが、今回は怖い馬が軒並み外枠。
加えてこの馬は最内枠を引いた。
無論、そう易々と好都合の展開にはならないだろうが、面白い枠順には違いない。
ここまで人気を落とすなら是非狙いたい。

 後、押さえどころは多士済々だが、まずは海外参戦馬の1番手、リトルブリッジ
3連勝でここを迎え、どっしりとした典型的なスプリンタータイプ。
さすがの迫力を備え、未知数ながら怖い存在。

 今回はどれだけペースが早くとも、差し、追い込み馬には厳しいとみているがそれでもサンカルロは押さえたい。叩き2走でガラリ一変もありえるし、万一常識外れの前崩れが起きれば一気に台頭してくる。

 サンカルロと同じく、スプリングサンダーも同様の理由で警戒。
調子も良さそうで一発狙える位置にはいる。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

16=05
→14,13,01,07,04,08
(36点)

16=14
→05,13,01,07,04,08
(36点)

昨年の再戦を思わせる似たようなメンバー。1年を経ても、スプリント界の勢力図はあまり変わっていない現状。
カレンチャンが女王としてスプリンターズS、高松宮記念の連覇を成し遂げたのもその理由のひとつだが、上述したように地力がずば抜けてるとまでは自信が持てない。もちろん高いレベルにあるのは認めるが、同等の地力を有する馬も揃っており、やはり電撃戦である以上、絶対視は危険なのではないだろうか。
その観点にたって、前走の4着をみると、どうにも不安が沸いてきてこの評価にした。
よりによって大外枠は痛いのは痛いが、どのような展開でもまとめてくれそうなロードカナロアを軸に据えて勝負したい。

3連単2頭軸マルチながしをロードカナロアを軸に、ラッキーナインから。相手を変えてカレンチャンで押さえておきたい。

2012/6/24 3歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    阪神 B
  • 芝2200m
    内・右回り

  • 見込み
コース図
直線の坂があるとはいえ、内回りコースであるがゆえに、やはり内枠先行有利。
G1レベルともなると、多少の速い流れは期待できるが、追い込み馬不利は否めない。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 × ウインバリアシオン 牡4 58.0 岩田 康誠
1 02 ショウナンマイティ 牡4 58.0 浜中 俊
2 03   ヒットザターゲット 牡4 58.0 古川 吉洋
2 04 × マウントシャスタ 牡3 53.0 川田 将雅
3 05   スマイルジャック 牡7 58.0 田辺 裕信
3 06   エイシンフラッシュ 牡5 58.0 内田 博幸
4 07 ルーラーシップ 牡5 58.0 ウィリアムズ
4 08   アーネストリー 牡7 58.0 佐藤 哲三
5 09   ビートブラック 牡5 58.0 石橋 脩
5 10   ナカヤマナイト 牡4 58.0 柴田 善臣
6 11 オルフェーヴル 牡4 58.0 池添 謙一
6 12 フェデラリスト 牡5 58.0 蛯名 正義
7 13   モンテクリスエス 牡7 58.0 幸 英明
7 14 × ホエールキャプチャ 牝4 56.0 横山 典弘
8 15 トゥザグローリー 牡5 58.0 福永 祐一
8 16   ネコパンチ 牡6 58.0 江田 照男
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
M
ミドル
このレースなりの平均ペース。G1ゆえにスローはないだろうが、極端に速くもならない。
信頼度
C
上位拮抗
様々な路線からの参戦があり、地力比較は困難。 加えて、11の復権なるか、ならざるかの判断も要する。
予想本文 

 今年の古馬戦線はオルフェーブルが中心と思われていたが、まさかの前走大敗で思わぬ混戦模様を呈してきた。結局勝ち星のないまま、春のG1シリーズの締めくくり、宝塚記念を迎える。
勝ち負けはともかく、このファン投票1位のオルフェーブルがどのようなレースをみせるか、その点に注目が集まる。牝馬に3歳馬、海外遠征組も加わって、グランプリらしい多種多様なメンバーも揃い、レースとしても見応えがありそう。

 海外ではあるが、ようやくG1の戴冠を得たルーラーシップ。勢いにのって、さらに国内でもG1制覇へ期待したい。良血ゆえに早くから期待されながらも、G1ではいま一歩届かない。それでも重賞レベルでは勝利を積み重ねるため、期待を裏切るまででもない。この血統が奥手とも思えないのにもどかしい状況が続いたが、ようやくここにきて順調さを取り戻しつつある。特に前走の香港では強い競馬で、一皮剥けた印象を残した。その後の検疫で十分な調教ができない懸念があったが、軽めの調教だったとはいえ、そう不安もなさそう。心配された天候も回復し、良馬場で臨めるとなれば、少々人気でも食指が動く。以前はスタートが悪く、後方からのレースも多かったが、今の状態なら中団好位からのレースが運べそうで、この鞍上なら、全く不安もない。オルフェーブルの調子が上がらない今こそ最大のチャンスと捉えて欲しい。

 飛ぶ鳥を落とす勢いのショウナンマイティを対抗格に据える。本命に据えてもいいほどの強烈な末脚の破壊力がなんとも魅力的。4戦連続で阪神コースを経験し、いずれも連を確保している点は大きく評価したい。特にここ2走は特筆もので、大阪杯ではとても届かない位置からの大外強襲、鳴尾記念では完全にスローの競馬ながら、32.9の末脚で2着まで迫った。本来、阪神の内回り中距離は先行有利であり、追い込み馬には苦しい。その点で本命を譲ったが、それでもこれだけの結果を残せる点を評価した。G1の速い流れが必ず追い風になるとも言い切れない面もあるが、確実に差し込んでくるのは間違いないだろう。除外された安田記念でどれだけやれるか見たかったが、今の段階で十分上位を賑わす存在たり得る。

 時々の大ポカがあるので難しいところのあるトゥザグローリー。だが、気性的に大人になったのか、随分と折り合えるようになった。その成長ぶりが如実に表れたのが前走で、しっかりと先行して、スローペースを利してショウナンマイティを完封してみせた。レースに勝利したことよりもこの積極策で結果を残せたという事が大きい。今回、逃げ馬が数頭いるが、それでも先行有利は変わらないだろう。万一予想以上に速い流れなら控える事もできるわけで、この自在性は鞍上にとっても非常にやりやすいはず。後は外枠の不利をどう克服するかがポイントになる。

 衝撃の阪神大賞典から、次走に注目されたオルフェーブルだったが、まさかの大敗北。長距離レースだとか、展開だとかがまるで言い訳にならない大敗を喫してしまった。調整失敗をささやかれても仕方が無いほどの結果で、そのダメージは計り知れない。加えて体調というよりも、精神面での要因となれば、立て直しは相当に困難で、さすがに今回強気に推せない。
ただ、裏を返せば、気持ちさえ戻れば・・・という面も含んでおり、鞍上もここは正念場を迎える。何より陣営が出走を決めたという事実は大きく、恥ずかしいレースはしないとも言い切っている。敗因の一つと言われていたメンコも今回は外し、復活要素も多分にあり、取捨は本当に難しい。
軸にはできないが捨てきれず・・・中途半端ではあるが、やはり今回はこのあたりの評価が妥当なのではないだろうか。
1番人気でも順当であれば単勝1倍台でもあっただろうし、このオッズは逆においしいともとれる。

 これだけの良血ながら、実は地方馬の身を経験しており、船橋から地震の影響で園田へと転厩など変わった経歴を持つフェデラリスト。ここまで昇り詰めたG1の舞台でどこまでやれるかが楽しみな逸材。阪神と同じゴール前急坂のある中山巧者で、先行力も有しており、このレース向きの脚質。大阪杯以降となるのがやや気になるところだが、それを差し引いても近走の中距離レースでの充実ぶりは目を見はるものがあり、ここでの好走も十分に期待できそう。

 内枠を引いたことはよいが、やはり追い込み脚質は苦しいウインバリアシオン。だが、調教は絶好でこの鞍上なら展開に合わせた乗り方もしてくるだろう。勝ち星こそ少ないが、安定感は随一であることは忘れてはならない。やはり要警戒対象だ。

 ヴィクトリアマイルでようやくの初G1タイトルを手にした紅一点のホエールキャプチャ。牡馬混合のこの舞台では厳しいが、持ち前の先行力はここでも大きな武器となる。前走後も好調さをキープしており、まだ、この世代牝馬の古馬との力関係もはっきりしていない以上、一概に軽視できる存在とは言えない。

 さらに穴では軽量の3歳馬、マウントシャスタにも1票。NHKマイルでの失格の後、あっさり復帰戦を飾り、ダービーを回避して一気にここへステップアップ。さすがにこのメンバーでは厳しいだろうが、53キロで楽に先行できれば面白い。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単
軸2頭マルチ:

07=02
→15,11,12,01,14,04
(36点)

07=15
→02,11,12,01,14,04
(36点)
混戦とはいえ、上位陣の力量はある程度信頼できる。ただ、その中での地力の優劣は甲乙つけ難く、加えての問題は、良くも悪くもオルフェーブルを意識しなければならない。それゆえ、3連単勝負の場合、軸の選定が最大のポイントとなる。やや迷いもあったが、ルーラーシップを本命に据え、相手をショウナンマイティ、トゥザグローリーとで2頭軸マルチながしで勝負したい。
相手はある程度はっきりしているので、選択は楽だろう。
ただ、無印にはしたが、アーネストリー、エイシンフラッシュらの人気馬も可能ならヒモに押さえておきたいところ。
2012/6/3 3歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    東京 C
  • 芝1600m
    左回り

  • 見込み
コース図
外差しが決まらない今の東京コース。今回はペースもはやく、そろそろ・・・という感もないが、それでも直線一気は難しそう。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   ダノンヨーヨー 牡6 58.0 北村 友一
1 02 ガルボ 牡5 58.0 石橋 脩
2 03   グランプリボス 牡4 58.0 内田 博幸
2 04 ストロングリターン 牡6 58.0 福永 祐一
3 05 ラッキーナイン セン5 58.0 プレブル
3 06   スマイルジャック 牡7 58.0 丸山 元気
4 07 × サダムパテック 牡4 58.0 ウィリアムズ
4 08 コスモセンサー 牡5 58.0 松岡 正海
5 09   フィフスペトル 牡6 58.0 横山 典弘
5 10   アパパネ 牝5 56.0 蛯名 正義
6 11 × エイシンアポロン 牡5 58.0 池添 謙一
6 12   ドナウブルー 牝4 56.0 川田 将雅
7 13   シルポート 牡7 58.0 小牧 太
7 14 グロリアスデイズ セン5 58.0 ホワイト
7 15   リアルインパクト 牡4 58.0 岩田 康誠
8 16   ローズキングダム 牡5 58.0 武 豊
8 17 × マルセリーナ 牝4 56.0 田辺 裕信
8 18   ペルーサ 牡5 58.0 安藤 勝己
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
Hs
ハイスロー
13の出方次第とはいえ、極端なハイペースまではなさそう。 例年並のハイペースか。
信頼度
D
混戦
ペース予想すら困難な混戦模様。新興勢力の台頭、実績馬の復活、いずれの可能性も入り乱れる。
予想本文 

 1番人気がどの馬になるかはわからないが、おそらく7~8倍台の単勝オッズで、他も10~20倍台で並ぶ横一線のメンバー構成。これまでの実績馬が振るわない中、これといった新星台頭もないため、混沌の大混戦となった今年の安田記念。
言葉は悪いが頭数だけは賑やかで、当てるのは至難の業。
大波乱は期待できないものの、的中さえすれば中波乱は必至の馬券的には面白いレース。

 さすがに本命は頭を抱えたが、現状の調子の良さを買ってのガルボで行く。実績的にもう一つであることは否めないが、調子と勢いは申し分ない。先行馬であることに加え、なにより内枠を引いたことは大きい。早い時計の裏付けもあり、G1クラスで通用する下地はあるはず。
前走は辛勝ではあったが、トップハンデを背負って堂々たる競馬っぷりで、それなりの風格も伴ってきた。いくつかのポカもあるが、1400m戦でのもので、マイルでの近走の安定ぶりに信頼を置きたい。

 コスモセンサーを対抗格に抜擢。今回のメンバーでは最多を占めるマイラーズC組。やはりここでの成績はある信頼してもよさそう。実際にレースを勝利したのはシルポートな訳だが、いくら先行有利とはいえ、東京マイル戦を逃げ切ることはできないとみる。ならば、内枠を引き、2番手を楽に追走できる同馬の目があるはず。ここ5戦ずっとマイル戦を経験し、安定感も抜群。東京コース未勝利が気になるが、致命的な欠点ともいえない。人気も薄く、今の前が残る東京コースなら一つ狙ってみたい。

 かなりの人気馬であるため、少し評価を下げたが、ストロングリターンの実績と安定感もこれだけの混戦となるとすがりたくなる。なんといっても昨年のこのレースの2着馬で、人馬ともマイル戦での信頼感はかなり高い。骨折後の復帰戦では2番人気には応えられなかったが、4着の内容は上々の結果。33.2の上がりも繰り出し、骨折後も従来の切れ味健在をアピール。ただ、後からの競馬をする馬はことごとく報われないのが今の状況であるため、末脚不発の懸念はないが、届かないという可能性はどうしても残ってしまう。

 今回香港からは2頭が参戦。しかし、これもまた実績がほぼ同じ程度ときている。
今回のメンバーなら2頭とも警戒対象だが、ラッキーナインを一応上位評価とする。実績からはどうみてもスプリンターで、中距離適性の要求される府中のマイルは厳しい面もあるが、海外参戦馬は人気薄を狙うべきという視点では、こちらだろうし、日本での実績がある点はかなり心強く、確実に自分の競馬はできる点で信頼は高い。内枠をうまく利せれば、距離の不安も相殺できるのではないかと思える。

 ほぼ同等実績のグロリアスデイズももちろん要警戒。マイル実績という点では、むしろラッキーナインよりも信頼は高い。過去8戦オール連対という堅実味は素晴らしい実績。軒並み不調の日本の実績馬を尻目に頭までありえる可能性を秘めている。ただ、なんといっても初の海外遠征。日本の馬場への適性も含め、完全に未知数であるため、過信は禁物。

 ヴィクトリアマイル組は牝馬だからというよりも、各馬のピークが前走にあるという点でやはり割引きとなるが、その中でもマルセリーナは評価したい。前走ではメンバー中、最速の上がりを繰り出し、マイル戦ではさすがの実力を示した。前が残る東京コースであの内容はかなり評価していい。今度は一転大外枠になるが、ここは引き続き警戒したい。

 大変身とまでいくかとなると疑問も残るが、エイシンアポロンの変わり身にも注意。前走はあんまりな大敗を喫したが、その分、度外視要素もある。馬体重が余裕残しであったため、ここで絞れてくれば、実績的にも怖い存在。また、この馬以外にも不調の実績馬は多いのだが、どの馬もどうもこれといった強調材料に乏しい。ガラッと変わってこれそうなのはこの馬くらいでは・・・という若干、後ろ向きな理由でもあることは否めない。

 サダムパテックは前走だけであまりに人気しすぎの感。本来ならばっさり切り捨てたいところだが、引き続きウィリアムズ騎手が手綱をとるとなると、やはり押さえないわけにはいかない。前走は後すぎず、前すぎずの絶好位から、鮮やかな末脚での復活劇。もともとは世代を代表する馬で地力的にはかなりの上位。1400mの前走より今回の方が競馬はしやすいはず。人気もここまで割れていれば、極端に避ける理由もなく、ここはヒモに一考。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

02=08
→04,05,14,17,11,07
(36点)

02=04
→08,05,14,17,11,07
(36点)
今回は絞り込む事はほぼ不可能といっていい横一線。ならば、やはりアパパネやサダムパテックといった人気馬は敬遠したくなる。
外国馬も過信したくはないのだが、このメンバーだと、必然的に上位評価になってしまう。ただ、不安材料も高く、軸馬候補としては難しい。そのような情勢での中、やや押し出され気味であることは否めないがガルボを軸筆頭に据える。
対抗格も難しいが、攻めのコスモセンサー、守りのストロングリターンと、ガルボからそれぞれ相手を変えた2頭軸マルチながしで勝負したい。
ヒモは相当手広く行かねばならないが、的中できればリターンで十分ペイできるだろう。
2012/5/27 3歳オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 10R
    東京 C
  • 芝2400m
    左回り

  • 見込み
コース図
高速馬場で好時計連発の今の東京コース。 前が止まりにくく、先行有利の状況が続いている。
ただ、それでも広く長い直線があるため、後方からの馬でも一応は勝負になる。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   スピルバーグ 牡3 57.0 横山 典弘
1 02 × ヒストリカル 牡3 57.0 安藤 勝己
2 03   ゼロス 牡3 57.0 川田 将雅
2 04   ジャスタウェイ 牡3 57.0 秋山 真一郎
3 05   ベールドインパクト 牡3 57.0 藤岡 佑介
3 06 ゴールドシップ 牡3 57.0 内田 博幸
4 07   コスモオオゾラ 牡3 57.0 柴田 大知
4 08 ワールドエース 牡3 57.0 福永 祐一
5 09   エタンダール 牡3 57.0 松岡 正海
5 10 ディープブリランテ 牡3 57.0 岩田 康誠
6 11   フェノーメノ 牡3 57.0 蛯名 正義
6 12   トリップ 牡3 57.0 田辺 裕信
7 13   クラレント 牡3 57.0 小牧 太
7 14 × トーセンホマレボシ 牡3 57.0 ウィリアムズ
7 15   ブライトライン 牡3 57.0 佐藤 哲三
8 16   モンストール 牡3 57.0 柴田 善臣
8 17 グランデッツァ 牡3 57.0 池添 謙一
8 18   アルフレード 牡3 57.0 武 豊
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
MH
ミドルハイ
皐月賞でハイペースを演出した03の出方がカギ。再度飛ばすなら、同じくハイペースも、今回は極力抑えたい思惑がありそう。
信頼度
B
上位拮抗
舞台、展開変わろうとも皐月賞上位馬優位は変わらない見解。
その中での地力は拮抗。
予想本文 

 やや重目の残る舞台の荒れた中山で、さらに予想以上のハイペースとなった皐月賞。大きく荒れる要素も強かったが、それでも結果は概ね上位人気馬で決まった。
そのため上位馬への信頼感はより増した状況だが、舞台を東京2400mに移し、また状況が大きく変わってくることになる。そんな中、加えて別路線組からも骨のありそうなメンバーが参戦し、馬にとっては生涯一度きりのダービーをどの馬が戴冠するか。
皐月賞時も述べたが、今年はハイレベルで粒揃いのメンバーにて、3歳クラシック最高峰決戦を迎える。

 勝ち馬も強烈だったが、後方から猛追してみせたワールドエースのインパクトは大きいものだった。スタート直後で躓いてしまい、大きくバランスを崩すというアクシデントにも慌てず、道中を後方で進め、コーナーでは皆が外を選択した中、さらにその大外から、短い中山の直線だけで猛追してみせた。このレース振りで例え人気になろうと、ダービーの私の本命は不動になった。
もちろん、皐月賞では馬場が緩く、今回はその時とシチュエーションはかなり異なるのは承知している。また、東京2400mという舞台、とりわけダービーというレースでは、極端な追い込みというのは意外に難しく、同馬の父、ディープインパクトやオルフェーブル級である必要がある。
さらに気になるのは、また同厩のトーセンホマレボシとの併せ調教が今ひとつであったこと、そしてあまり馬格がないタイプだけに当日の馬体重にも懸念が残る。こう述べると、不安点も多々あるように思えるが、広い東京コースにかわるのは確実に好条件で、皐月賞よりもレースはしやすいはずで、今度は突き抜けることを期待する。

 皐月賞を完勝したゴールドシップ。この馬もむしろダービーでこそと考えていただけに、当然、本命馬との双璧となる。ワールドエースがキレ味勝負の純然な追い込み型であるのに対し、この馬はマクリ型。すんなり行ければ先行も可能で、豊富なスタミナと長く持続できる末脚が武器。瞬発力では分が悪いが、他馬に脚を使わせる勝負になれば、前走以上に完勝する力がある。このタイプはダービーには実に向いたタイプといっていいだろう。
皐月賞では他馬が外を行く中、ただ1頭内へ切れ込み、荒れた馬場をもものともせず勝利した。馬の適正を踏まえた見事な戦略だったわけだが、反面、その戦略がうまくハマッたゆえの勝利という穿った見方もできる。ただ、それを踏まえても、完勝といえるほどの着差で勝利したという事実は大きい。ここでもおそらく大崩れはないだろうと思わせる説得力を持つ完成度の高さだ。

 単勝1番人気を皐月賞で裏切ってしまったグランデッツァの巻き返しが怖い。レース後、馬がのめってしまったとの談話があったように、どうやら馬場の影響は多分にあったといえよう。ただ、それよりもハイペースになったせいか、この馬本来の前々の競馬ができなかったことに大きな敗因がありそうにも思えた。直線ではワールドエースと同じ位置で共に上がりながら、キレ味で差が開いた。それでも5着に届いたのはある意味では上々の結果ともいえる。
この馬のよさは先行してこそ良さが発揮されるはず。鞍上はデムーロ騎手からの変更となるが、同じ轍は踏むまい。であれば、皐月賞1番人気馬の実力は、現時点で単勝7番人気という人気と釣り合わない。そういう意味では今回1番旨味がある存在といえよう。

 皐月賞3着入線のディープブリランテも引き続き要警戒。
ただ、この馬に常につきまとう問題はやはり折り合い。今回距離が伸びることでさらにその懸念は膨らむ。ただ、幸い引っ張る逃げ馬がいるため、速い流れになりそうであることは救いか。ゴールドシップに2連敗している以上、強調要素には欠けるが、やはり混戦での強さは連下候補に加えるにやぶさかでない。

 基本的には皐月賞での有力馬による再戦とみるが、別路線組も無視できるような存在ではない。
その中からは奇しくもノーザンテースト直仔母系にディープインパクトという同型血統のヒストリカルとトーセンホマレボシを挙げておきたい。

 ヒストリカルの前走、毎日杯は悪く言えばもの凄く乱暴な勝ちっぷり。直線で行き場を無くし、一旦後に下げて内から大外にまわって完全に後手のスパートながら、とても届かないと思われたところから差しきってしまった。前がバテたことと、長い阪神の直線を利したとはいえ、あの競馬はなかなかできることではない。また勝利後、すぐに短期放牧でここに備えてきた点も好感。

 前走が強い勝ち方だったトーセンホマレボシ。前走では先行抜け出しで日本レコード。高速馬場と化している今の東京コースなら、かなりやれそうな印象を抱かされた。やや奥手ながら重厚な血統を背景に、ここからの大いなる飛躍も十分。僚馬ワールドシップを煽るほどの好調さで本番が楽しみ。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸1頭ながし:

08
→06,17,10,02,14
(20点)

NHKマイルや各トライアル線組が加わってくるが、それでも皐月賞組が優位とみる。さらに極端な大敗からの巻き返しもなく、結局は皐月賞上位グループでの堅い結果で収まる公算が高そう。あとはその中での順位の入れ替わりとなる。
調教の中間過程が今ひとつである点がどうにも気に掛かるが、当初の予定どおりワールドエースを軸に据える。
相手も、ゴールドシップ、グランデッツァ、ディープブリランテあたりで、別路線からヒストリカルとトーセンホマレボシまで。

この中でもさらに点数を絞り込む中で、様々な買い方が考えられるが、ここは思い切ってワールドエースの1着固定ながしで勝負したい。
押さえでワールドエース、ゴールドシップの2頭軸マルチを持ってもよいが、おそらくオッズ的にはそこまで広げられないと思われる。

2010/5/20 3歳牝馬オープン 55キロ 指定 国際
施行コース
  • 11R
    東京 B
  • 芝2400m
    左回り

  • 見込み
コース図
先行残りの目立つ今の東京コース。とはいえ、基本的には先行、差しの脚質による有利不利は少ない。枠順もそう気にする必要もなさそう。ただし一気の距離延長となる点は忘れてはならない。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   アイムユアーズ 牝3 55.0 ウィリアムズ
1 02   マイネエポナ 牝3 55.0 吉田 隼人
2 03 × アイスフォーリス 牝3 55.0 松岡 正海
2 04   オメガハートランド 牝3 55.0 石橋 脩
3 05 メイショウスザンナ 牝3 55.0 武 豊
3 06   ダイワデッセー 牝3 55.0 武士沢 友治
4 07 × ダイワズーム 牝3 55.0 三浦 皇成
4 08 ミッドサマーフェア 牝3 55.0 蛯名 正義
5 09 ヴィルシーナ 牝3 55.0 内田 博幸
5 10 × ハナズゴール 牝3 55.0 田辺 裕信
6 11   チェリーメドゥーサ 牝3 55.0 森 泰斗
6 12 × エピセアローム 牝3 55.0 浜中 俊
7 13   サンシャイン 牝3 55.0 柴田 善臣
7 14 ジェンティルドンナ 牝3 55.0 川田 将雅
7 15   サンキューアスク 牝3 55.0 北村 宏司
8 16   キャトルフィーユ 牝3 55.0 福永 祐一
8 17   トーセンベニザクラ 牝3 55.0 津村 明秀
8 18   ココロチラリ 牝3 55.0 横山 典弘
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
Ms
ミドルスロー
実質はスローに近い。かかる馬次第で ペースは変わるが、やはり瞬発力勝負が濃厚で、折り合いと速い上がりを持つ馬に勝機が多い。
信頼度
D
混戦
牝馬クラシック戦線は中心馬不在で、空洞化した格好といえる。思わぬヒモ穴に注意を払いたい。
予想本文 

 桜花賞ではジェンティルドンナが混戦を制した訳だが、圧倒的な実力差を見せつけるまでには至らぬ印象が残った。そしてさらに距離が伸び、別路線組も合流してきて、牝馬クラシック戦線はますます混沌としてきた情勢となってきた。思わぬ穴馬が台頭してくる空気感も漂いつつ今年のオークスを迎える。

 ヴィルシーナを本命視。もともとオークス向きと思われている中での試金石となった桜花賞で2着と結果を残した以上、逆らう理由はない。気性的に安定しており折り合い面に不安がなく、この距離も願ってもないところ。加えて先行タイプであることも安心感。絶対視できるほど突出したパンチ力には欠けるものの、他馬と比べても欠点が少なく、軸としては最適の対象。

 桜花賞組が今ひとつパッとしないため、どうしても別路線に目がいってしまう。その別路線組での筆頭格となるのがミッドサマーフェア。ローテのキツさに不安は残るが、それを打ち消すほどの前走の圧勝ぶり。相手関係的に比較が難しいものの、東京コースであれだけのパフォーマンスが発揮できていれば、ここでも十分通用の下地。調教過程もよく、さらに、このレースに相性のよい鞍上を得て、戴冠を目指す。

 距離が伸びて気になるのがメイショウスザンナ。3馬身とやや離されたが、桜花賞での5着は好走といっていい内容。確実に桜花賞よりこの馬向きの舞台に戻り、逃げ差し自在の脚質を持ち、ペース判断に長ける名手が駆るとなれば、やはりクローズアップされてくる。時計的にはやくなると疑問も残るが、スローの混戦になればかなりのところまで食い込んできそうな怖さがある。

 通常ならこのオークスと連動性が高い桜花賞馬。そういう意味では、ジェンティルドンナはもっと評価してもいいのかもしれない。4戦連続で34秒台の切れ味を発揮。前走桜花賞でも力強い抜け出しを活かし勝利をもぎ取った。ただ鞍上の手腕も影響した感もあっただけに、ここでの手替わりは誰であれ、かなり痛い。それでもこの中団から差せるタイプであれば、マイラーでもオークスでの好走例も多く、加えて桜花賞馬となればやはり十分な注意が必要だ。

 やはり距離が伸びておもしろそうなのがアイスフォーリス。前走ではミッドサマーフェアに離されての2着のため、地味な存在となっているが、先行押し切りタイプでバカにはできない。もちろん実績は乏しく、過信は禁物だが、好走があっても驚けない存在。

 距離を考えればオレハマッテルゼ産駒のハナズゴールはやはり不安は残る。だが、それを補える爆発的な末脚はやはり魅力。オークスにおいては直線一気型は、展開さえはまれば、距離適性関係なく好走例がいくつもある。前走のNHKマイルCではスローペースで、あきらかに展開が向かなかった。牝馬同士の戦いに戻っての巻き返しの期待感が距離不安を凌駕する。

 2度のG1での大敗でもまだ捨て切れぬのがエピセアローム。小倉2歳S馬だけに、早熟の短距離馬のイメージがあるが、血統的には成長力とともに、距離をもこなす下地もある。短期放牧での立て直しでどこまで戻ってくるか。

 3連勝と波に乗るダイワズームにも1票。裏街道でメンバー的にもハイレベルとはいえないが、コンスタントに34秒台の末脚を繰り出している点を評価。連勝で人気を背負うのが玉にキズだが、未知の魅力に富む。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

09=08
→05,14,03,10,12,07
(36点)
メンバーの実力差が近く混戦模様ながら、ヴィルシーナとミッドサマーフェアの信頼感は意外と高そう。
無論、他馬がつけいる可能性もかなり高いが、ひとまずはこの2頭を信頼してもよさそうで、この2頭を軸としたい。
高配は期待できないかもしれないが、ヒモ穴が紛れ込んでくる可能性は高く、この2頭から3連単2頭軸マルチで極力手広くいきたい。
2012/5/13 4歳以上牝馬オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    東京 B
  • 芝1600m
    左回り

  • 見込み
コース図
先週と同じくBコース。内枠先行馬が残りやすい傾向は依然続いているが、今回は結果に左右するような大きな影響はなさそう。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 マルセリーナ 牝4 55.0 田辺 裕信
1 02   レディアルバローザ 牝5 55.0 福永 祐一
2 03 × キョウワジャンヌ 牝4 55.0 柴田 善臣
2 04 × マイネイサベル 牝4 55.0 松岡 正海
3 05   アニメイトバイオ 牝5 55.0 北村 宏司
3 06   スプリングサンダー 牝5 55.0 四位 洋文
4 07 アパパネ 牝5 55.0 蛯名 正義
4 08   クィーンズバーン 牝4 55.0 内田 博幸
5 09   グランプリエンゼル 牝6 55.0 三浦 皇成
5 10 フミノイマージン 牝6 55.0 池添 謙一
6 11   アプリコットフィズ 牝5 55.0 田中 勝春
6 12 ホエールキャプチャ 牝4 55.0 横山 典弘
7 13   チャームポット 牝6 55.0 柴山 雄一
7 14   オールザットジャズ 牝4 55.0 藤岡 佑介
7 15 エーシンハーバー 牝4 55.0 武 豊
8 16 × ドナウブルー 牝4 55.0 ウィリアムズ
8 17   レインボーダリア 牝5 55.0 石橋 脩
8 18   アスカトップレディ 牝5 55.0 川須 栄彦
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
M
ミドル
極端に飛ばす馬が不在で、標準のマイル戦より気持ち遅いか。
信頼度
D
軸不在
確たる軸馬不在。実力均衡状態で各馬にチャンスはある。
予想本文 

 まだ、歴史の浅いヴィクトリアマイルだが、これまではウォッカやブエナビスタという歴史に残る女傑が強力な軸馬として存在していた。5冠馬アパパネがまだ残っているとはいえ、今回は強力な軸馬ともいえず、混戦模様であることは否めない。
今年はどの馬にもチャンスがありそうな情勢で迎えるレースとなった。

 やや、押し出され気味ではあるが、フミノイマージンを本命とする。追い込み一手でペース依存のところはあるが、安定した差し脚に魅力を感じる。2000m戦での重賞勝ちがあることも東京のマイル戦では好感。人気的にも手頃で狙いやすい存在で、ここは積極的に狙ってみたい。
オルフェーブルでやや意気消沈の鞍上だが、昨年の勢いを取り戻す意気込みを買って、この乗り替わりにも期待したい。

 悲願のG1奪取へ燃えるホエールキャプチャだが、復帰初戦の前走は決してよい内容とはいえなかった。あれだけG1戦で複勝圏を外さなかったこの馬にとっては内容はともかく、トライアル戦での5着の内容はいただけない。だが、そこから馬が変わった気配は感じられる調教内容で、51秒台の好時計を叩き出し、好調をアピール。
ここは是非G1制覇を期待もしているが、前走の敗戦と、やはりぬぐえぬ人馬の印象から対抗格評価どまりとした。だが、地力的にはここではトップクラスで無様な競馬は見せれないところだ。

 本命にとも悩んだオールザットジャズは近走すごぶる好調といっていい内容。
G1エリザベス女王杯敗北後、地道に条件戦を勝ち上がり、重賞を制するまで力をつけた。
今の状態なら、大崩れもなさそうで、ここでも胸を張れる存在といえよう。
中団から自在性のある脚質も心強い限りで、初めての東京コースにも不安は少ない。

 叩けば必ず変わるアパパネ。叩けば変わるというよりも、おそらくG1の本番での早い流れでこそ、力を発揮できる馬という要素の方が濃いのかもしれない。ただ、叩いてから調子がよくなるのも事実で、今回もその気配が十分感じ取れる。何度もこのパターンで煮え湯を飲まされてきているし、なんといっても5冠馬。警戒対象からはやはり外せない。
ただ、昨年のこのレース以降は勝ちに見放されており、勢いに陰りが見える感も否めない。軸馬には危うさが伴うため、この評価までとした。

 地力なら桜花賞馬マルセリーナも十分主力級だろう。前走では直線で膨れたものの、勝ち馬をクビ差まで追い詰め、短距離戦なら相当の信頼が置けることを証明してみせた。
33秒台までの速い上がりはないが、うまく乗れば安定した差し込みを披露できるはず。
ただ前走デムーロ騎手からの乗り替わりであるだけに少し評価は控えめにした。

 外枠のドナウブルーがどうにも不気味。前走の中山牝馬Sでは大敗を喫したが、京都牝馬Sはここでまだ見限れぬほどの素晴らしい内容だった。 鞍上の手替わりも、引き続き追える外国人ジョッキーを背に、マイル戦に戻ってさらなる怖さも増す。

 マイネイザベルは秋華賞ではまったく競馬にならなかったが、その後は堅実なレースを続けている。1800~2000mにも良績があり、いかにもこの舞台向き。ゴール前で横一線の混戦にるような展開になれば、堅実味を活かして上位争いに加わってきそう。

 復調してくれば、キョウワジャンヌも穴で一考したい。
マイルG1で大敗してはいるが、やはり秋華賞2着の実績は重みがある。
一叩きで変わってくれば、このメンバーならなんとかなるかもしれない。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

10=12
→14,07,01,16,04,03
(36点)
難しいメンバー構成だが、実績的にはやはりアパパネとホエールキャプチャだろう。ただ、両馬とも復帰初戦が内容が振るわず、一気に他馬に付けいる隙ができたという情勢。その中で大崩れもなく、安定した末脚を持つフミノイマージンを本命に抜擢した。調教過程から復調を窺えるホエールキャプチャを相手筆頭。

フミノイマージン、ホエールキャプチャを軸とした、3連単2頭軸マルチながしを推奨。
2012/5/6 3歳オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    東京 A
  • 芝1600m
    左回り

  • 見込み
コース図
馬場は良好でAコース使用。高速決着になりやすいコース設定で、マイル戦とはいえ、距離以上にスタミナも要求されるのが通常。 ただ今年はペースは遅めであることがどう影響するか。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   メジャーアスリート 牡3 57.0 池添 謙一
1 02   ネオヴァンクル 牡3 57.0 北村 友一
2 03 レオアクティブ 牡3 57.0 蛯名 正義
2 04   モンストール 牡3 57.0 柴田 善臣
3 05 カレンブラックヒル 牡3 57.0 秋山 真一郎
3 06   シゲルスダチ 牡3 57.0 後藤 浩輝
4 07 × ハナズゴール 牝3 55.0 田辺 裕信
4 08 マウントシャスタ 牡3 57.0 岩田 康誠
5 09 セイクレットレーヴ 牡3 57.0 横山 典弘
5 10   ブライトライン 牡3 57.0 安藤 勝己
6 11   マイネルロブスト 牡3 57.0 松岡 正海
6 12   クラレント 牡3 57.0 小牧 太
7 13 × オリービン 牡3 57.0 川田 将雅
7 14 ジャスタウェイ 牡3 57.0 福永 祐一
7 15   サドンストーム 牡3 57.0 勝浦 正樹
8 16 × ガンジス 牡3 57.0 藤岡 佑介
8 17 × アルフレード 牡3 57.0 ウィリアムズ
8 18   レオンビスティー 牡3 57.0 内田 博幸
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
SH
スローハイ
差し、追い込み馬がズラリと揃い、ペースはゆるやかになりそう。
信頼度
D
横一線
まだ地力が確定していない混戦状況で現勢力図が定まっていない。また展開も多分に左右されそう。
予想本文 

 開設当初はマル外ダービーなどといわれたNHKマイルCももう17回目を迎える。今は内国産馬のレベルが向上してすっかりその区別はなくなり、看板通り3歳マイル王決定戦となった。
昨年の朝日杯FS組が軒並み不調の滑り出しで、各馬の地力が計りづらい。ハイレベルの皐月賞~ダービーのクラシック戦線と比べると、小粒ではあるが馬券的には面白いレース。

 本命には末脚の安定性を買ってジャスタウェイ。マイル戦では連を外しておらず、1ハロン伸びた1800m戦でも大きく負けていない。昨年の東スポ杯は着順以上の敗戦だが、まぁ馬場がよくなかったとの言い訳がある。きっちりとした切れる末脚があり、いかにも東京マイル向き。前走の出走取消は感冒によるもの。調教過程も良好であるし、大きなマイナス材料ではないと言えよう。気になるのはやはりレース展開。前走を勝利している以上、今回も最後方からの追い込みに賭ける戦法になるはず。しかし、今回のメンバーは前に行く馬が少なく、速いペースが見込めそうにない。いくら東京コースといえど今回は、最後方からの差し込みが届くかどうかには不安は残る。どちらかというと、3着までには届くだろうという連軸の意味での本命の要素が強い。

 前走、毎日杯ではヒストリカルの豪脚に屈したマウントシャスタだが、ここまで 1、1、2着とうまく成績をまとめてきている。好位抜け出しから接戦で大きく崩れないレース振りには好感が持てる。1800m専科だが、むしろそのくらいの距離をこなせるようでないと、このレースでは通用しない。その点でマイルに代わってどんなレースをするか、不安より期待の方が大きい。
ただ、スタートはうまくない。気性的な問題でもないようだが、今回はその出遅れが致命的にもなりかねないので留意しておきたい。
ちなみに騎手の乗り替わりが起きているが、これは予定通りのもの。

 意外に人気がないのがレオアクティブ。1400mを2戦経験しての距離延長で折り合い面には不安が残るが、朝日杯で3着で実績はある。
ただ、この馬も後方からの馬で本命馬と脚質がややかぶる。だが、今の東京は内がいいので、枠順を活かし内から差し込む形になれば勝機も見込めるだろう。マイルでどこまで切れる脚を繰り出せるかには、やや不明なところもあるが、それなりに安定して差せそうで人気的にも狙い目。

 カレンブラックヒルは前走NZTで、ハイペースで差し馬有利の展開の中、堂々の先行押し切りで3連勝。そのいずれもハイレベルな内容で、十分裏付けのある3連勝といえる。
また何より今回のメンバーは先行馬が少なく、主導権をとれる点はかなり大きなアドバンテージ。
中山から東京に変わることで連動性が疑われるNZT組ではあるが、なんだかんだで相性もいい。
ただ、勝ち馬自体は成績がよくないことと、やはり無敗馬であるゆえ、かなり人気にもなるので、その点を嫌ってこの評価に留めた。

 セイクレッドレーヴは差し馬揃いのメンバーの中でも比較的好位から進めることができそう。
それでいて、早い上がりを持っているので、うまく流れに乗れれば、理想的な好位抜け出しが計れるはず。ただ、2着とはいえ、前走NZTでは勝ち馬と大きく離されてしまっているだけに、どうしても別路線組に目がいってしまうのは仕方がないところか。

 2歳チャンプのアルフレードは前走がまさかの大敗。ただ、あまりの大敗ぶりに逆に巻き返しが怖い。特に朝日杯では、内をうまく利したとはいえ、かなり高レベルな内容だっただけに復調あればもちろん勝ち負け。ただ、もう少し落ちるかと思っていたが、それなりに人気もしてるので、押さえあたりまでが妥当か。

 他では人気有力馬より、比較的ヒモ穴をピックアップしたい。
牝馬ながら1頓挫でここにまわったハナズゴール。マイル戦なら牡牝の差はまだ少なく、加えて牝馬が強い情勢が後押しする。切れる脚を持っており、出場していれば桜花賞でも人気になっただろう馬。ここでも通用する下地はある。

 距離とこのメンバーではやや荷が重い感もあるが、ガンジスも面白い。
前走、橘Sではうまく立ち回って、1番人気のレオアクティブを押さえ込んだ。
間隔が詰まっての出走だが、調子は悪くなさそう。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

14=08
→03,05,09,17,07,16
(36点)
今回は横一線の大混戦ではあるが、比較的軸2頭はすんなりと決まった。ここはジャスタウェイとマウントシャスタの人馬ともの力量に期待する。
この2頭からの3連単マルチながしで勝負したい。
ただ、相手となるヒモは相当手広く行く必要がある。
一応、推奨としては印をつけた馬までとしたが、人気を嫌って印を外したモンストール、ブライトライン、オリービンあたりのケアも必要と思われる。
2012/4/29 4歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    京都 C
  • 芝3200m
    外・右回り

  • 見込み
コース図
今年はCコース利用。
もちろん芝の状態はとく、当日は晴れ模様で絶好馬場の見込み。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   ビートブラック 牡5 58.0 石橋 脩
1 02   トウカイトリック 牡10 58.0 幸 英明
2 03   ナムラクレセント 牡7 58.0 和田 竜二
2 04   モンテクリスエス 牡7 58.0 松岡 正海
3 05   ジャガーメイル 牡8 58.0 四位 洋文
3 06   ゴールデンハインド 牡6 58.0 荻野 琢真
4 07   ユニバーサルバンク 牡4 58.0 田辺 裕信
4 08 ギュスターヴクライ 牡4 58.0 蛯名 正義
5 09   コスモロビン 牡4 58.0 柴田 大知
5 10 × ケイアイドウソジン 牡6 58.0 川田 将雅
6 11 ウインバリアシオン 牡4 58.0 武 豊
6 12 × クレスコグランド 牡4 58.0 浜中 俊
7 13   フェイトフルウォー 牡4 58.0 柴田 善臣
7 14   ローズキングダム 牡5 58.0 後藤 浩輝
7 15 ヒルノダムール 牡5 58.0 藤田 伸二
8 16 × トーセンジョーダン 牡6 58.0 岩田 康誠
8 17   トウカイパラダイス 牡5 58.0 柴山 雄一
8 18 オルフェーヴル 牡4 58.0 池添 謙一
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
Ss
超スロー
超スローももちろん掛かる馬がいればあっという間に乱ペースに。
ロングスパートができる馬に強み。
信頼度
C
軸不動
大本命馬がいるものの、相手が難しい。
波乱も多いレースだけにヒモ穴の警戒は必要。
予想本文 

 先週の皐月賞はどの馬も勝ちそうな迷いが生じたが、一転、今回の古馬長距離レースはどの馬にも不安が残るというやや寂しいメンバー構成。また、旧来は堅いレースだった天皇賞今やすっかり荒れるレースの代名詞。1番人気の勝率が極端に低いが、今年はなんといっても3冠馬が登場する。
しかし・・・ここ10年勝利がないという大外枠に入ってしまった。単勝1倍台の大本命を信じられるか否かの選択が迫られる。

 歴史的な大逸走で、まさかの連勝ストップのオルフェーブル。故障発生か?とも心配した刹那、そこからレースを再開し、最後方から猛然と追い上げた。これは前代未聞の出来事で、加えてこの馬は3冠馬だ。無事で良かったとはいえ、良くも悪くも強烈なインパクトを残した。
さて、その結果を受けて今回の本番を迎えるが、なんとまたも本命馬が大外枠をひいてしまった。
実は今年に入って、トランセンド、ジョワドヴィーヴル、グランデッツァと外枠にはいった私の本命馬はことごとく敗れている。さらに、このレースは随分長く大外枠の勝利例もない。さすがに躊躇したが、ここで引くわけにもいかない。
逸走癖に限らず、騎手の振り落としなど、以前からもあった「素行」の悪さ、1番人気の勝率が芳しくないレース、そして大外枠というかなりの不利な材料が揃っている。単勝1倍台はこのリスクを踏まえるとかなり分が悪い賭けとなるが、それでもそれを覆しての勝利を期待したい。
正直なところ、この相手ならそれくらいはやってもらわないと凱旋門賞など語れないし、何より、メジロマックイーンの血族がこの舞台で負けるわけにはいかないだろう。

 ヒルノダムールは大阪杯で4着と敗れはしたが、直線ではオルフェーブルに前をカットされる不利があったことを踏まえると上々の結果。昨年の覇者としてはやや物足りない近況だが、このメンバーならオルフェーブル以外には何ら気後れすることはない。
人気的には後述のウインバリアシオンや、トーセンジョーダンだが、これだけ荒れているこのレースですんなり上位人気で決着するだろうか。そういうひねくれ解釈だけが理由でもないのだが、圧倒的1番人気で勝負する以上、少し視点はずらしたい。
となると、昨年とはメンバーが異なるとはいえ、昨年の覇者であるこの馬を人気的には手頃な存在でもあるし相手筆頭として据えたい。
京都記念の3着は気になるが、それなりに手堅いレースは続けてもいる。
また、血統的には長距離向きの素地も備えており、折り合い不安もなく、地味ながら意外とマイナス要素は少ない。4、5着に敗れる不安はあるものの、まず手堅いレースをするはずで、どちらかというと3着狙いの対抗扱い。

 不毛な表現とは言え、オルフェーブルがいなければ2冠の実力馬、ウインバリアシオン
こと3200mならば、やはりこの馬は高く評価しておきたい。その根拠はやはり折り合いに不安がないことにつきる。長距離レースという舞台ではそれが何よりの安心感となる。難点をいえば、比較的本命馬オルフェーブルと脚質がかぶる点にある。それが過去何度も煮え湯を飲まされた一因ともいえ、その点で長距離レースといえばこの人とも言える武豊騎手ががどう乗ってくるか興もそそる。

 オルフェーブルの逸走ばかりに目が行くが、ギュスターヴクライはオルフェーブルを前走退けているわけで、その点は評価しなければならない。特に長距離レースでの安定感は素晴らしい。条件戦から、あっという間に駆け上った初のG1の舞台でどこまでやれるかの期待感がある。また、比較的中団前目から、レースを進められるのも強みといえよう。

 本来地力ならトーセンジョーダンはトップクラス。ただ、この馬は実績的にも東京コースの中距離馬のイメージが強すぎる。父ジャングルポケットの印象も引きずってる事もあるが、それほど剥離した印象ではいないだろう。もっとも父もこのレースは2着しているわけだし、適性がないわけではないのだが、このレースが荒れている原因に人気の中距離馬が大敗してしまうケースが目立っており、この馬はこのケースに該当する典型的なタイプ。相当の人気も背負うのでここは敢えて敬遠してみた。だが、岩田騎手ならそういうところも含めクリアしてきそうな怖さもあるのだが。

 3歳時、京都新聞杯を制し、将来を渇望されたクレスコランドは一頓挫あり、秋を棒にふった。年が明けた復帰初戦を3着とそれなりにまとめ、今回いよいよその地力が問われる一戦となる。OPとはいえ、大阪-ハンブルクC組のこのレースの相性はよく、まだ未知の魅力に溢れる。ただ、あまり人気するようだと強気にもなれない。

 大穴っぽいところではケイアイドウソジン。前走日経賞ではまるで歯が立たなかったとはいえ、重馬場の特殊なケースであった。もちろん度外視できるとまではいわないが、それを除けばやはり前々走のダイヤモンドSの逃げ切り勝ちが気になるところ。今回波乱があれば前残りであるだろうし、鞍上変わってすんなりいければ、ちょっと怖い存在。

馬券と総評
推奨馬券 総評

3連単

1着2着ながし:

1着:18
2着:15
→11,08,16,12,10
(5点)

1着3着ながし:
1着:18
3着:15
→11,08,16,12,10
(5点)

やや迷いがあったが、大外枠だろうとここは絶対勝たねばならぬオルフェーブル。不安要素も多いが、高配期待で切るよりもむしろ逆に1着固定での勝負を挑みたい。ただ、問題は相手。特に2番軸は、人気通り、ウインバリアシオンやトーセンジョーダンが妥当とも思えるのだが、さすがにオッズ的に苦しいし、面白みに欠ける。ならばここは、昨年の覇者でありながら、現時点で単勝5番人気のヒルノダムールに白羽の矢を立ててみる。
馬券は3連単、オルフェーブルの1着固定で、2着、3着ながしの相手でヒルノダムール。点数を絞れる分、相手は手広く行きたい。100円全通りも悪くはない。
2012/4/15 3歳オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    中山 B
  • 芝2000m
    内・右回り

  • 見込み
コース図
パンパンの良馬場とはいわないまでも前日までの雨模様もひとまず回復。
内回りで直線短く直線の坂。展開一つでしばし大きな波乱も誘発するコース設定。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   モンストール 牡3 57.0 柴田 善臣
1 02 × アダムスピーク 牡3 57.0 ピンナ
2 03   トリップ 牡3 57.0 田辺 裕信
2 04   メイショウカドマツ 牡3 57.0 藤岡 康太
3 05   アーデント 牡3 57.0 藤田 伸二
3 06 ディープブリランテ 牡3 57.0 岩田 康誠
4 07   ベールドインパクト 牡3 57.0 藤岡 佑介
4 08   サトノギャラント 牡3 57.0 横山 典弘
5 09 ワールドエース 牡3 57.0 福永 祐一
5 10   スノードン 牡3 57.0 北村 友一
6 11   マイネルロブスト 牡3 57.0 武 豊
6 12   フジマサエンペラー 牡3 57.0 田中 勝春
7 13   シルバーウエイブ 牡3 57.0 北村 宏司
7 14 ゴールドシップ 牡3 57.0 内田 博幸
7 15   コスモオオゾラ 牡3 57.0 柴田 大知
8 16 × ゼロス 牡3 57.0 川田 将雅
8 17   ロジメジャー 牡3 57.0 安藤 勝己
8 18 グランデッツァ 牡3 57.0 デムーロ
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
Hs
ハイスロー
ともに前走でスタートに失敗した逃げ馬2頭。 有力馬に先行タイプが揃い、やや早めのペース予想。
信頼度
B
上位拮抗
実力馬揃いの好メンバー。
裏付け要素高く、堅めに収まるムード。それゆえ、波乱があれば大きく高配も。
予想本文 

 トライアルの結果から主軸候補となれるが5頭以上も揃うという好メンバーが揃った。
果たして世代最強への第一関門を制するのはどの馬か。競馬ファンにとっては心躍る垂涎の一戦となりそう。
それにしてもディープインパクト産駒が目立つ。SS後継種牡馬の座を確固たるものにしつつあるかもしれない。

 大外枠が気にならないわけではないが、グランデッツァを中心に据える。
ラジオNIKKEI賞2歳Sではアダムスピーク、ゴールドシップに遅れをとったが、鞍上変わって臨んだスプリングSをディープブリランテに快勝して復権。高いレベルのレースを常に勝ち負けしてきた内容に加え、ベースが中山向きの先行脚質で、さらにどんなレースでもできる自在性がある。
鞍上にデムーロを配し、調教内容も貫禄をみせつけるとあって、最も死角が少ないと言わざるを得ない。ただ、惜しむらくは大外枠だが、この馬はずっと外枠のレースを続けており、かえってその方が良いとも言えそう。スタート後、コーナーまで余裕ある今回のコースなら、すんなり先行できるのではないだろうか。実力馬互角の中、1番人気を本命に据えるのにはやや抵抗があるが、それだけの説得力は持っている。不動の本命とは言いがたい側面もあるが、まず大崩れはないだろう。

 メジロマックイーンの母系にステイゴールドというトレンド血統のゴールドシップ。血統はトレンドながら有力馬の中では実績の割には比較的地味な存在で馬券的には狙いやすい。この馬は基本は先行型だが、出負け癖がある。だが、その場合も後方からレースを進めることができ、しっかしと差せる自在性が頼もしい。特にずっとスタートで失敗していながら、前走、共同通信杯ではうまく出たのは成長の証と捉えても良さそう。ただ、その共同通信杯から間が空いて、ぶっつけというのは、やはり気に掛かる。また、その割に調教過程も積極的なものでもなかった。一応は予定通りもあるので、大きなマイナスとは思えないが、当日の気配は確認必須。距離が伸びても良いタイプでダービー向きとは思えるが、ここで大敗するようならもちろん話にならない。

 他の有力馬と直接対決のない別路線組となるワールドエース。その力関係が不明な以上、過信は禁物だが、軒並み先行馬が中心だけに末脚自慢のこの馬はやはり魅力的。特に2走前のきさらぎ賞は凄まじい。完全なスローペースの前残りの展開を33秒フラットという恐ろしい上がりで差しきった。長く持続力のある末脚は父親を彷彿させる。中山内回りは先行有利ではあるが、今回は逃げ馬も揃ってある程度ペースは速いはず。ならば未対戦の有力馬をまとめて差しきることも期待できそう。ただ一方、後半必ず伸びる脚があるが先行勢も強力な上、直線が短い。それゆえ追いつく頃にはすでにゴールという展開も逆にありえる。さらに未確定要素も比較的多く、初の輸送がどうかで当日の馬体重には注意が必要。やはり他有力馬との力関係が未知という点も気に掛かる。
その点で少し割り引いたが、破壊力は抜群。まさに▲の印がふさわしい馬だといえよう。

 ディープブリランテはここ2戦、1馬身以上離されての2着の続いてしまった。やはり気になるのは折り合いで、頭を上げながら前に出て行く姿が目に付き、案の定、直線で踏ん張れないことが続いた。しかし、前走に限ってはグランデッツァに離されたものの、意図的に馬を下げ、好位からレースを進めるという成長ぶりをみせた。もちろん、あれだけではまだこの相手には通用しないが、さらなる気性的な成長が見込めれば、もともと持っているポテンシャルは随一だけに面白い。あっという間に先行抜け出しを計る脚はあるだけに、とにかく最後の踏ん張りが利けば後続を完封することも可能。幸いペースがあがってレースはしやすくなる上、好枠を引いた。このままこの鞍上が黙ってやられるとも思えない。

 弥生賞の大敗で人気を落とすようなら、アダムスピークも狙い目となる。弥生賞は超スローペースで言い訳の効く内容だった。巻き返してくる要素は十分あり、内枠を引いて、ヤネには外人ジョッキー。今回の本命、対抗馬に先着した実績は評価せねばなるまい。馬場は良いに越したことはなく、当日の回復に期待したいところ。

 上記5頭がやはり中心となるだろう。しかし、他馬にも力のある馬が揃っており、食指は動く。とはいえ、概ね上位決着で、かつ実力伯仲となると、なかなか手も広げづらい。その中で1頭挙げるなら、前走スタートに失敗して逃げ切れず大敗したゼロス。5頭立てのレースでワールドエースを完封した実力は一介の逃げ馬ではできない芸当。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸1頭マルチ:

18
→14,09,06,02,16
(60点)

軸2頭マルチ:
18=14
→09,06,02,16
(24点)

主力馬はすでにトライアルで実績積み、一定の信頼を得ている。その中でもわずかに地力の優劣は測ることが出来たが、皮肉にも実績の高いものが外枠に割り振られた。どんなハンデキャッパーも舌を巻く見事なバランスの枠の振り分り。これで有力馬は完全に互角の様相を呈した。そしてそのレベルも高く、上位争いはこれらの上位人気馬で決まる公算が強い。ただ、3着圏内なら他馬にもつけいる隙はあり、楽しみが多い反面、馬券としては難しい。オッズの兼ね合いがあるため、ここは軸馬しっかりと定めて少数頭での勝負となる。

人気でもグランデッツァを中心視。馬券はここから3連単1頭軸マルチながし。ただ、100倍越えるのも難しくなるため、金額には差をつけたい。その意味で、グランデッツァ、ゴールドシップの2頭軸マルチながしを重ねておく。

2012/4/8 3歳牝馬オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    阪神 B
  • 芝1600m
    外・右回り

  • 見込み
コース図
スタート直後と、ゴール前の十分な直線と、広いコースでマギレのない実力どおりに決まる公算の高いコース。差し有利ではあるが、Bコース利用でもあり、ペース緩めば前残りも十分可能。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   ダームドゥラック 牝3 55.0 小牧 太
1 02 × エピセアローム 牝3 55.0 浜中 俊
2 03   オメガハートランド 牝3 55.0 石橋 脩
2 04 × サンシャイン 牝3 55.0 デムーロ
3 05   パララサルー 牝3 55.0 北村 宏司
3 06   エイシンキンチェム 牝3 55.0 川田 将雅
4 07   メイショウスザンナ 牝3 55.0 武 豊
4 08   マイネエポナ 牝3 55.0 吉田 隼人
5 09   イチオクノホシ 牝3 55.0 田辺 裕信
5 10 ジェンティルドンナ 牝3 55.0 岩田 康誠
6 11 × アイムユアーズ 牝3 55.0 ピンナ
6 12 プレノタート 牝3 55.0 安藤 勝己
7 13 サウンドオブハート 牝3 55.0 松岡 正海
7 14   トーセンベニザクラ 牝3 55.0 津村 明秀
7 15 ヴィルシーナ 牝3 55.0 内田 博幸
8 16   ファインチョイス 牝3 55.0 池添 謙一
8 17 ジョワドヴィーヴル 牝3 55.0 福永 祐一
8 18   アラフネ 牝3 55.0 丸山 元気
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
SM
スローミドル
逃げ馬不在。強いて言えば6の押し出され気味のハナ。レースはスローが予測され、追い込み一辺倒では苦しい。
信頼度
D
混戦
本命馬に不安要素あり。近年堅めの傾向も、各馬実力差少なく。中荒れ程度の混戦模様。
予想本文 

 ここ数年の傾向と異なり、抜けた馬のいない横一線の印象の強い今年の牝馬クラシック戦線。
名牝の異父妹で1勝馬の身でG1ホースとなったジョワドヴィーヴルがその地盤を固めるか、あるいは、そうはさせじと他馬がつけいるか。その結果次第で今年の流れも大きく左右されそうだ。

 やや迷いが生じたのは否めないが、G1の舞台での勝ちっぷり、チューリップ賞からという王道ローテ、この安定感と格を考慮してジョワドヴィーヴルを本命とする。
チューリップ賞では断然の1番人気も3着に敗れた。鉄砲は効かないタイプかもしれないのだが、絶好位から伸びを欠いた直線の姿はあまりよい印象ではなかった。加えて、不安を倍加させたのが現時点で発表されている馬体重がマイナスであること。ただでさえ小柄な牝馬だけにこれ以上のマイナスはあまり歓迎材料ではない。不安材料が多いといえば多いのだが、調教過程を見る限り上積みはありそうだし、やはりこれまでの実績から窺える地力は、軸筆頭ではあろう。好位差しという脚質を考えても大敗はなさそうで、少々の調子落ちでも阪神JFでの2馬身差はやはりそれなりの差を感じる。

 相手格もかなり迷ったが、サウンドオブハートを据えてみる。思い返せば阪神JFでは1番人気。当時、私はこの馬もジョワドヴィーヴルも無印にしていたが、両馬とも複勝圏内にしっかり絡んできた。今回のメンバーから予想される展開はおそらく先行有利。それゆえ、この馬がどの位置でレースを進めるかがポイントにはなるが、4角あたりでは先団にいる展開を予想する。何より評価したいのは、前走の紅梅Sで、直線届かないかと思われたところからぐんぐんと差しきった様は見事だった。またその後の調教過程がよく、ここはかなりいい状態で臨めそうだ。

 牡馬混合のシンザン記念を勝って一躍主役候補に躍り出たジェンティルドンナ。ジョワドヴィーヴルとの初対戦となった前走では4着と敗れた。熱発の影響があったといわれるが、今回どこまで巻き返してくるか。すべてをマイル戦でレースを続けており、高いレベルでまとまった完成度の高いタイプ。引き続き安定してレースができそうで、上位に顔を出す可能性はかなり高そう。

 展開向きそうなのがヴィルシーナ。黄菊賞、エリカ賞と牡馬混合の王道ローテをでの勝ち負けはここでは重みがある。距離的に短いかと思われた前走クイーンCも完勝してみせた。もちろん、距離は長いにこしたことはないのだろうが、ここはオークスにつながる走りが期待できそう。また、何より今回は緩い流れになりそうなのが、この馬には大きなアドバンテージ。テン乗りとなる鞍上がやや心配なところではあるが、高い能力と展開利で大きく浮上する。先行馬ながら速い上がりを持つことも強み。

 プレノタートは展開次第では本命まで考えたほど。それだけ魅力的な末脚を持っている。7着と大敗した阪神JFでも大外急襲しており、ジョワドヴィーヴルとは離れたものの、2着馬にはコンマ2秒差。その後も重賞で4着、3着と不利な展開であっても確実に差し込んで来ている。阪神外回りで絶好の舞台ではあるのだが、いかんせん今回のメンバーで早い流れは望めそうにない。いかな阪神外回りでもペースが下がれば先行が有利。だが、かといいって捨てきれる存在ではなく、どのような展開でも複勝圏内には十分考慮しなければならない。

 先行しての粘り込みは特筆モノで、ここは展開も向くアイムユアーズ。阪神JFでは2着とはいえ、本命馬に大きく離されてしまったが、復帰初戦をしっかりと勝利したことは評価に価する。これまで関西馬独占だった桜花賞も、前乗り作戦で近年は関東馬が好走。勝機は十分。

 不気味なのはサンシャイン。先行タイプの上、新馬戦を完勝した鞍上とのコンビが魅力。実績以上に人気も背負うが、それでも押さえておきたい一頭。

 折り合いに懸念の残るエピセアローム。今回は待望の内枠引いて馬群に潜り込むことで巻き返しを図る。前走ジョワドヴィーヴルに先着したように、スムーズに行けば、地力は上位陣とは互角。

馬券と総評
推奨馬券 総評

3連単
軸2頭マルチ:

17=13
→10,15,12,11,04,02
(36点)

BOX:
17,13,10,15,12
(60点)

正直、今回幾分自信が持てない。基本差し馬が好きなので、先行有利で印を差し替えたせいもあるかもしれないが、◎と○は随分迷ってのものだし、▲~△もほとんど同評価。本来なら、◎から○~△を格対抗格を変えての3連単2頭軸マルチ・・・といきたいところだがさすがに点数が多すぎる。
無難にジョワドヴィーヴルとサウンドオブハートの2頭軸マルチながしを本線に◎~△までの3連単ボックス馬券を押さえにしたい。
2012/3/25 4歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    中京 A
  • 芝1200m
    左回り

  • 見込み
コース図
今年から新設の中京コース。コーナーで緩い下り坂で、直線で大きな坂。ここまでの傾向では差し有利の情勢。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 ロードカナロア 牡4 57.0 福永 祐一
1 02   サンダルフォン 牡9 57.0 古川 吉洋
2 03   アグネスウイッシュ 牡4 57.0 武 豊
2 04   レジェトウショウ 牝6 55.0 松山 弘平
3 05   エーシンリジル 牝5 55.0 和田 竜二
3 06   ベイリングボーイ 牡8 57.0 勝浦 正樹
4 07   アポロフェニックス 牡7 57.0 吉田 隼人
4 08   ツルマルレオン 牡4 57.0 小牧 太
5 09 エーシンダックマン 牡5 57.0 川田 将雅
5 10 カレンチャン 牝5 55.0 池添 謙一
6 11 × サクラゴスペル 牡4 57.0 ピンナ
6 12   マジンプロスパー 牡5 57.0 浜中 俊
7 13   タマモナイスプレイ 牡7 57.0 渡辺 薫彦
7 14 × グランプリエンゼル 牝6 55.0 藤岡 佑介
7 15 ダッシャーゴーゴー 牡5 57.0 横山 典弘
8 16 × ジョーカプチーノ 牡6 57.0 内田 博幸
8 17 サンカルロ 牡6 57.0 吉田 豊
8 18   トウカイミステリー 牝6 55.0 四位 洋文
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
HM
ハイミドル
G1のスプリント戦だけにそれなりにはハイペース。
ただ、これまでのように割れ先にハナを争う展開はなさそう。
信頼度
C
軸不動
本命馬の軸は堅そうではあるが、頭固定できるかまでとなると短距離戦だけに難しい。
予想本文 

 今年は中京コースが新設。直線が長くなり、なによりゴール前の坂ができたことが大きい。
平坦であっても決して逃げ有利と言い切れることは難しいかったが、これでより差し馬有利の傾向に拍車がかかる。が、一方で各馬警戒でペースが落ちれば、短距離だけに逃げ切りもあり得るわけで、その点において競馬は本当に難しい。

 速い持ち時計こそないが、ロードカナロアの勝ちっぷりはどれも圧巻。葵S時にタダものではない雰囲気が漂っていたが、スプリント戦6戦全勝で、あっという間にここまで昇ってきた。
強力な末脚もさることながら、脚質に自在性があるのも強みで、鞍上も乗れている騎手で死角が少ない。 前走シルクロードSでは、つきぬけてから、まだ余裕があったように思えるほどの完勝で、初の左回りやG1の舞台であったもここは頭固定でもよいほどか。
ただ、この馬の場合、内枠が良い面に出るとは限らない怖さもある。

 やはり新設中京で一番気になるのはサンカルロ。今やスプリント界の常連メンバーだが、差し一辺倒の脚質でありながらこれだけ堅実な成績が残せるのは立派。
ただ、一方で、前走の阪急杯のように、善戦はするものの勝ちきれないのは、やはりその脚質に原因があることも否めない。外枠を引いたため、どこかで内に潜り込む必要があるが、かえって競馬はしやすくなるかもしれない。
諸刃の剣タイプだけに大敗の危険性をはらむのも事実だが、直線の差し込みに期待したい。

 あまり新設中京を意識しすぎるのもどうかとは思うのだが、坂のあるコースでなら阪神巧者ダッシャーゴーゴーが不気味。昨年、このレースを降着になって以来、迷走状態が続いているが、当時は将来が渇望された逸材。その地力は高く、一叩き後の一発があっても驚けない。
ただ週末の雨での馬場渋化は歓迎材料ではなく、当日の馬場回復は必須条件。

 5連勝でG1までもぎとったカレンチャン。海外遠征後、復帰戦も一頓挫となったが、後半はよく追い上げており、むしろ重馬場と斤量を考えれば及第点の内容。一叩きでの上積みを見込める今回は当然の主力筆頭候補。とはいえまだまだ短距離戦線は群雄割拠で力量さは小さいとみている。
その点を踏まえた際、本命馬にロードカナロアを据える以上、2番人気馬は少し敬遠したいというのが本音。逆に言えば、死角らしい死角も見当たらず、好位抜け出しの安定したレースぶりが期待できそう。

 このメンバーで逃げ切るのは至難の業ではあるが、エーシンダックマンを穴馬として狙ってみたい。この馬は平坦コースながら1分7秒台の時計を持ち、重賞逃げ切り経験もある。前走こそ早めにつかまり大敗を喫したが、馬場のせいも考えられる。
基本差し馬中心の展開が予想されるが、一概に軽視していい逃げ馬とはいいきれない。

 ヒモ穴候補は多士済々で絞りきれない側面があるが、近走安定のグランプリエンゼル、地力馬ジョーカプチーノ、格上も未知の魅力のサクラゴスペルらを組み込みたい。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

01=17
→15,10,09,14,16,11
(36点)
やはりロードカナロアの軸は不動とみる。終始余裕残しのレース振りに、短距離では久しぶりの大物誕生の予感もある。
ただ、いかんせん短距離戦。頭固定は難しい。また同様に相手を一本に絞るのも危険があるが、サンカルロを相手筆頭に据えての3連単2頭軸マルチながし。
余裕があるか、もしくは頭を固定するなら、ダッシャーゴーゴーやカレンチャンの相手馬券を持ってもよいだろう。
2012/2/19 4歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    東京
  • ダート1600m
    左回り

  • 見込み
コース図
スタートの芝コースを除けば2回しかないコーナーと長い直線。地力がそのまま直結する。前崩れによる後続馬の差し込みがあれば波乱も。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   ナイキマドリード 牡6 57.0 戸崎 圭太
1 02   タガノロックオン 牡4 57.0 田辺 裕信
2 03 シルクフォーチュン 牡6 57.0 藤岡 康太
2 04   スマイルジャック 牡7 57.0 丸山 元気
3 05   ヒラボクワイルド 牡6 57.0 幸 英明
3 06   ケイアイテンジン 牡6 57.0 後藤 浩輝
4 07   ヤマニンキングリー 牡7 57.0 デムーロ
4 08   セイクリムズン 牡6 57.0 吉田 隼人
5 09 × エスポワールシチー 牡7 57.0 武 豊
5 10 ワンダーアキュート 牡6 57.0 和田 竜二
6 11 ダノンカモン 牡6 57.0 福永 祐一
6 12   ライブコンサート セン8 57.0 蛯名 正義
7 13   グランプリボス 牡4 57.0 内田 博幸
7 14   トウショウカズン 牡5 57.0 川田 将雅
8 15 トランセンド 牡6 57.0 藤田 伸二
8 16 × テスタマッタ 牡6 57.0 岩田 康誠
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
MH
ミドルハイ
15がハナを切ることができない。番手追走に徹底マーク馬が追う展開。
びっちりと緩むことのないシビアなマイル戦。
信頼度
B
平穏
比較的勝負付けがすんだメンバー構成だけに平穏傾向か。
新興勢力が台頭すれば波乱も。
予想本文 

 昨年の結果を額面通りに評価してよいかはわからないが、日本馬の連覇を賭け再びドバイ挑戦のトランセンド。同じようなメンバーでやや盛り上がりに欠けるが、壮行会としてここで再度地力を見せつけて欲しい。

 とにかく差し馬に分がある中央の舞台で、逃げ切って勝つのだからトランセンドは純粋に圧倒的に地力が違う。今回の相手はすでに勝負付けが終わったメンバーで、まだ誰も成し遂げていないフェブラリーSの連覇は目の前といったところ。
決して敗北を知らない馬ではない。それゆえ過信は禁物だが、敗れても2着までしか許されない。
馬券的には頭固定の勝負もやむなしか。
ただ、やはり距離的が短いだけに、後続馬の差し込みもないとはいえない。
ちょうど、まさにメンバー的にも昨年の南部杯の再戦となる。その際は頭差での勝利だったことは念頭に置かねばならないが、逃げてなお末脚劣らず伸び続けるのがこの馬の強み。
この馬より先行してならともかく、後から差し切るには相当の力が必要だろう。

 今回のレースは2番手となる相手の固定が最大のポイントとなるが、どうひねくれようともやはりワンダーアキュート以外にはない。
出遅れたJCダートでも馬群を割って差し込んで来た自在性と根性は、そのままこれまでの安定した成績につながっている。特に、前走東京大賞典では、スマートファルコンをハナ差まで追い詰め、JCダート2着の実力が本物であることを証明してみせた。
今回はトランセンドも自分の競馬に徹すればいいというものではなく、さすがにこの馬の動向だけは意識せざるをえない。東京コースの実績には乏しいが、むしろより向いている可能性もあり、胸をはって本命馬に挑める存在。

 いつも最後は伸びてきているのがもどかしいレースが続くダノンカモン
どうも折り合いが難しく、安定したレースが出来ていない。前走、根岸Sでは短距離になって折り合いがつくとかなり期待されたが、直線抜け出しに苦労し、結局伸びてはきたが5着止まり。
休養明け初戦のこの内容をどう捉えるかだが、ひとまず上向きはあるはずと見た。
地力ではトップクラスと思える素質馬だけに、ここでの巻き返しに期待。
また敗れたことで人気的な旨味も高く、それだけにあえてここは3番手で高めの評価。

 そのダノンカモンが1番人気で敗れた根岸Sを鮮やかに差しきったのがシルクフォーチュン
展開に左右されるのは否めないが、それでもこれだけ安定して34秒の脚を使えるのはやはり脅威。
今回、トランセンドは番手で進むであろう展開で、有力馬はほとんど先行脚質。
1600mとなると、どうしても距離不安が残るが、仕掛けどころを誤らなければ、長い直線でまとめて差しきることも決して不可能ではないだろう。

 スマートファルコンと3強を担ったエスポワールシチーはやや低めのこの評価。
もちろん、地力はトップクラスではあるが、ここ最近はゴール前の粘りにやや陰りを感じるのは事実。とはいえ、安定した成績は残しており、無論2、3着あたりへの信頼度はむしろ本命馬を除けば随一といっていい。だが、やはり勝ちきるという点では魅力に乏しく、上記の馬たちに印を譲る形になった。

 それ以外ではテスタマッタを挙げておく。
どうにもムラッ気はあるが、現鞍上が上手に乗ってくれている。
そのレース巧者ぶりが怖く、連下にはやはり警戒を怠らないようにしたい。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

15=10
→11,03,09,16
(24点)
 芝からの転向組が気にならない訳ではないが、いきなりのダート戦は厳しいことがここ数年の結果から証明されている。
となれば、いつものメンバーによるいつもの結果が濃厚か。
必然、配当は小さくなるので、その絞り込みが難しい。
頭数は上記6頭意外には浮気はしない。
推奨に2頭軸マルチとしたが、飽くまで押さえ程度に。
本線は3連単◎-○の1、2着ながし裏表、1、3着ながし辺りに厚めに勝負。それなりの決め打ちは必要だろう。
2011/12/25 3歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 10R
    中山 A
  • 芝2500m
    内・右回り

  • 見込み
コース図
とにかく難解といっていい中山内回りの2500m。先行馬は圧倒的有利ではあるが、距離があるため、地力通りに決まることも多々ある。
少なくとも穴馬は先行できることが絶対条件。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 ブエナビスタ 牝5 55.0 岩田 康誠
2 02 ヴィクトワールピサ 牡4 57.0 デムーロ
3 03 × ヒルノダムール 牡4 57.0 藤田 伸二
3 04   ペルーサ 牡4 57.0 安藤 勝己
4 05   エイシンフラッシュ 牡4 57.0 ルメール
4 06   キングトップガン 牡8 57.0 柴田 善臣
5 07   トゥザグローリー 牡4 57.0 福永 祐一
5 08   ローズキングダム 牡4 57.0 後藤 浩輝
6 09 オルフェーヴル 牡3 55.0 池添 謙一
6 10 トーセンジョーダン 牡5 57.0 ウィリアム
7 11   ジャガーメイル 牡7 57.0 四位 洋文
7 12 × アーネストリー 牡6 57.0 佐藤 哲三
8 13 × レッドデイヴィス セン3 55.0 武 豊
8 14   ルーラーシップ 牡4 57.0 メンディザ
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
Ms
ミドルスロー
確実性はないが、一応12がハナを切りそうな展開。
先行勢が少ないがそれなりにペースは上がりそう。
信頼度
C
実力伯仲
2強がいながらも他馬も強力で、そのくせ頭数少ない。
低オッズの中の絞り込みが必要で、馬券的な難易度はかなり高い。
予想本文 

 まさに今年の最後を飾るにふさわしい素晴らしいメンバーが揃ったグランプリ、有馬記念。
現役最強馬である女帝のラストランに3冠馬が最初で最後の戦いを挑む。取り巻き陣も脇役に甘んずるようなメンツではない。
ただ、いかんせん頭数は少なく、少数精鋭状態。このクリスマス決戦をオーラスの大勝負とするなら、穴を狙うよりも、金額をつぎ込む方向で臨んだ方がよいのかもしれない。

 最も信頼できるとの意で、3冠馬よりも女帝ブエナビスタのこれまでの実績を優先した。
なんといっても、このレースを2年連続2着の実績は、複勝圏内の連軸として圧倒的存在であり、否応ない説得力がある。一方で、やはり、この馬の場合、勝ちきれるのかという不安感がぬぐえないのは誰しもが考えるところ。そういう意味で、頭はオルフェーブル、連軸にブエナビスタとするのがセオリーではあり、それが単勝人気にも現れている。
しかし今回はそこを逆手にとって、きっちりこの馬が有終の美を飾っての引退となるとみる。
特に最内枠を引いたことに好感。ここからならある程度先行することは間違いなく、直線であっという間に突き放す事も可能なはず。

 対抗扱いではあるが、単候補としての要素の方が強い3冠馬オルフェーブル
それゆえ、下手をすると連も外してしまうリスクも持ち、危うさも秘める。これまでのように普通に乗れば勝てるという楽な相手ではない。短期放牧明けでの古馬との初対戦。しかも先行有利な小回り中山の内回りコース。少しの油断で、馬群から抜け出せなくなることも十分にありえる。
ただ、今回は幸い少数頭、加えて斤量も恵まれるわけで、もちろん地力はずば抜けている。
危険性をはらむとはいえ、一方で本命馬すら圧倒的に凌駕してしまう可能性だって秘めている。
クラシックは常に圧勝。差し一辺倒であることを気にしていたが、菊花賞では早めにまくって押し切り、最後は流す余裕もみせた。ここでも同様のレースができるなら、少々外を回る不利があっても力で圧倒してしまうかもしれない。

 トーセンジョーダンのジャパンカップは見事だった。ハイペースの中、後方から差しきった天皇賞・秋から一転、果敢先行してブエナビスタとのデットヒート。これは地力なくしてできない芸当で、相当の器とみていいだろう。昨年のこのレースは逃げての5着。今年の宝塚記念の大敗は多少腑に落ちないが、自在性があり、ペース不問で、どこからでも確実に切れる脚が使えるのは、大きな武器。こういう自由度の高い馬は騎乗そのものが大きく左右されるが、その点、昨年トゥザグローリーを3着に持ってきた鞍上なら頼もしい限り。

 昨年の覇者、ヴィクトワールピサの取捨が本当に難しい。不利があったとはいえ、復帰戦の前走は負けすぎ。本来、ドバイWC馬がこんな評価で甘んじててはいけないのだが、国内では大敗することはなかっただけに致し方ないともいえる。今回、好走することができなければ、黄信号がともる状況にもなるだろう。一方で、先行してこその馬でもあるので、前走のような後方からのレースになったことは度外視できる要素でもある。であるならば、内枠も引いたことだし、すんなり先行できるようなら、いきなり巻き返してくることも考えておくべき。

 人気がなければ…と思っていたが、やはりアーネストリーは皆が狙ってくるのは避けられないようだ。 見渡せば差し馬がずらり。先行馬有利が明白の中、単騎逃げが見込めるのは願ってもない展開。ハイペースで外枠発走だった前走からは、変わり身は相当見込めるはず。
ただ、ここまで人気するとやはどうしても躊躇してしまう。展開利は認めるが、現状上位陣とは少し差を感じる事も否めない。

 ヒルノダムールもここまでのメンバーが揃うと実績的にもさすがに一歩劣ってしまうが、確実に差し込める末脚はやはり連下には脅威。凱旋門賞からの国内復帰第一戦でどこまでやれるかは楽しみでもあり、オッズ的には旨味もある。2、3着あたりまでの突っ込みはあっても驚けない。

 復帰戦を鮮やかに勝利してみせたレッドデイヴィス。古馬陣はブエナビスタとの勝負付けは済んでしまっている。その点では3冠馬に土をつけた馬として、未知の伸びしろがある分、押さえる必要はありそう。前走の内容も地味ながら無視できないかなり秀逸なもの。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

01=09
→10,02,12,03,13
(30点)
 本当にすべての馬に印を打ちたいほどの好メンバー。明日には結果がわかってしまうのがもったいないと思うほど。
それだけの一流馬が集ったとはいえ、ブエナビスタ、オルフェーブル、トーセンジョーダン、ヴィクトワールピサはさらにもう一段上のレベルに位置するとみている。つまりはおそらくはこの4強での戦いが濃厚というのが見解。極めて無難な予想となるが、それほど奇をてらうのが難しい状況だ。
ただ、いかんせん中山内回りの2500m。ここに食い込む余地がないわけではないし、それができうるメンバーも揃っている。
その点ではどの馬も魅力があり、買いたいのも山々なのだが、この低オッズの中、ばっさり割り切って切れる覚悟は不可欠。
一応、3連単、ブエナビスタ、オルフェーブルの2頭軸マルチながしとはするが、金額の偏りや点数の削減も必要だろう。
2011/12/18 2歳オープン 馬齢 指定 国際
施行コース
  • 11R
    中山 A
  • 芝1600m
    外・右回り

  • 見込み
コース図
スタートから1コーナーまでの直線は短く、ゴール前直線も短い。当然内枠先行馬が有利となるが、ゴール前にそびえる急坂がわずかに相殺。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   サドンストーム 牡2 55.0 勝浦 正樹
1 02 ローレルブレット 牡2 55.0 池添 謙一
2 03 アルフレード 牡2 55.0 ウィリアム
2 04 × マイネルロブスト 牡2 55.0 蛯名 正義
3 05   ネオヴァンクル 牡2 55.0 浜中 俊
3 06   スノードン 牡2 55.0 北村 友一
4 07 クラレント 牡2 55.0 小牧 太
4 08   ショウナンラムジ 牡2 55.0 岩田 康誠
5 09   ニンジャ 牡2 55.0 藤岡 佑介
5 10   ジョウノバッカス 牡2 55.0 戸崎 圭太
6 11 マコトリヴァーサル 牡2 55.0 メンディザ
6 12 × トウケイヘイロー 牡2 55.0 後藤 浩輝
7 13   ハクサンムーン 牡2 55.0 田中 勝春
7 14   ヒシワイルド 牡2 55.0 ルメール
8 15 × レオアクティブ 牡2 55.0 横山 典弘
8 16 ダローネガ 牡2 55.0 佐藤 哲三
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
M
ミドル
主導権争い必至のコース形態のため、スローにはならない。13のスピードはずば抜けており、必然ハナはとりそう。
信頼度
D
混戦
先週同様、これといった軸馬不在の混戦模様。展開面による影響も大きそう。
予想本文 

 それまでの東京から中山へ舞台を移し、2歳馬によるレースとなる朝日杯FS。
コース体型からも波乱の要素が十分にも関わらず、過去の傾向としては何故か平穏傾向。
ただ、今年のメンバーは確たる軸馬不在の混戦模様で一筋縄ではいきそうにない。
余談だが、昨年のこのレースの1、2着馬、グランプリボスとリアルインパクトが揃って本日の阪神Cに登場し、グランプリボスが勝利してみせた。
やはり翌年以降もずっと活躍できるような馬の出現を期待したい。

 大外枠の不利は十分承知している。それでもこのダロ-ネガを中心に据える。
他馬にこれと行った馬がいないということもあるが、2歳にしてすでに貫禄あるスケールの大きいレースぶりに好感。もっとも前走は大きく出遅れてしまい、後方からのレースとなる未熟さも見せた。しかし、それでも2着入線し、結果的に差しもできることを逆に見せつけることになった。それでもこの馬の本来の良さはやはり先行しての粘り込み。この大外枠で今回も同じように出遅れると致命的ではあるが、好発切れれば外を回ってもこのメンバー相手ならそう大崩れはないとみる。

 そのダロ-ネガにデイリー杯で土をつけたクラレント。満を持して臨んだ東スポ杯でまさかの放馬。加えて馬場渋化も手伝って、まるでレースにならなかった。その大敗をどう判断するかが微妙なところ。確かに度外視できる内容ではあるのだが、全くの減点なしというわけでもない。
その点がこの馬の取捨を難しくしているが、それでも巻き返しは必ずあるはずで、本命、ダロ-ネガの次点評価とする。

 やや、穴狙いではあるが、マコトリヴァーサルが不気味。新馬戦を5馬身逃げでぶっちぎり、2走目は重賞で、エピセアロームに敗れはしたが一転差す競馬を見せた。そしてさらに続くデイリー杯で果敢に先行して、マイルでもやれるところを見せた。5着に敗れはしたものの、その1走ごとの成長には魅力を感じた。鞍上が外国人ジョッキーに替わり新味をみせ、さらなる成長を見せてくれれば面白い存在となる。

 すでに6戦とキャリアは多いが、ローレルブレッドにも本命馬に似た安定感を漂わせる。
黄菊賞、千両賞と条件戦とはいえ、それなりのレベルの高いレースのローテーション、スローからハイペースまであらゆるレースでコンスタントによい末脚を披露。やはり中距離での安定した差し馬には一定の信用を置きたい。内枠を引いたことも大きい。

 新馬戦で34秒の上がり、続くレースではスローとはいえ、なんと32秒の上がりをみせたアルフレード。マイル経験があり、2戦2勝で鞍上はウイリアムズ騎手で内枠も引いた。1番人気は当然うなずけるが、印象論とはいえ、どうもこの手の出来すぎ感のある関東馬はこのレースでは当てに出来ない。事実、人気ほど信頼できる時計を残しているわけでもなく、人気を考えると強くも推しずらい。ただ、新馬戦でみせた直線でのひと伸びには目を見張るものがあり、素質の片鱗とみてとれるもの。それを踏まえると無視するわけにはいかず、この評価で落ち着いた。

 前走の大敗は気になるが、マイネルロブストも中距離の差し馬。札幌2歳Sでは3着で、直線ではあわやの見せ場。それなりに期待をされての前走東スポ杯だったが、どうにもちぐはぐな競馬となった。精神的に大人になってくればもっとやれていい。

 折り合い課題も、逆にそこを克服すればレオアクティブの破壊力は凄まじい。
中山の短い直線で追い込みは厳しいが、早い流れで折り合えば好勝負も。

 差し脚なら前走レコード勝ちのトウケイヘイローも怖い。一発があっても驚けない強烈な脚がある。地味ながらもう少し注目されていい存在。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

16=07
→11,02,03,04,15,12
(36点)

16=11
→07,02,03,04,15,12
(36点)
 先週の阪神JFと同様、軸馬不在の混戦模様で難解な一戦。
スケール感と安定性でダロ-ネガを本命としたものの、大外枠のハンデは大きいのは事実。他馬がつけいる隙も多分にあるが、どんな展開でも格好はつけてくれる複勝圏内の軸としては信頼したい。
 相手としては、正直○~△群は差が無く、全部押さえたいほどだが、ひとまずクラレントを相手筆頭の3連単2頭軸マルチながし。
あまり意識していなかったが、結果的に相性のよくないデイリー杯組を高評価することになった。しかし、ヒモはできるだけ手広くいきたいところ。
 ただ、マコトリヴァーサルもからめば高配必至なので、こちらも遊びで少々。
2011/12/08 2歳牝馬オープン 馬齢 指定 国際
施行コース
  • 11R
    阪神 A
  • 芝1600m
    外・右回り

  • 見込み
コース図
直線が長いが、それだけにゆったりとしたペースにもなりやすく、一概に差し一辺倒というわけでもない。
奇をてらわない限り、地力決着しやすい。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01 × アンチュラス 牝2 54.0 川田 将雅
1 02   エイシンキンチェム 牝2 54.0 和田 竜二
2 03   アラフネ 牝2 54.0 吉田 隼人
2 04   マイネボヌール 牝2 54.0 酒井 学
3 05 × ファインチョイス 牝2 54.0 岩田 康誠
3 06   スイートスズラン 牝2 54.0 川島 信二
4 07   レディーメグネイト 牝2 54.0 飯田 祐史
4 08 イチオクノホシ 牝2 54.0 デムーロ
5 09   ナオミノユメ 牝2 54.0 北村 友一
5 10 アナスタシアブルー 牝2 54.0 藤岡 康太
6 11 アイムユアーズ 牝2 54.0 メンディザ
6 12 ラシンティランテ 牝2 54.0 藤岡 佑介
7 13   ジョワドヴィーヴル 牝2 54.0 福永 祐一
7 14   プレノタート 牝2 54.0 佐藤 哲三
7 15 トーセンベニザクラ 牝2 54.0 藤田 伸二
8 16 × エピセアローム 牝2 54.0 浜中 俊
8 17   ガーネットチャーム 牝2 54.0 北村 宏司
8 18   サウンドオブハート 牝2 54.0 武 豊
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
M
ミドル
2歳牝馬だけにそうレースが落ち着くとも思えない。
マイル以下の距離経験馬も多く、それなりにペースは上がりそう。
信頼度
D
混戦
軸馬不在の混戦模様。実力差もそれほどなく、展開一つ。
予想本文 

 ここのところ、例年その世代を代表する大物牝馬がこのレースから飛躍していった。
今年は地力のレベルはわからないが、これといった中心馬が不在の混戦模様。
単勝1番人気もころころとかわる有様で、迷いがうかがえる。

 馬券戦略において最も重要となる軸馬がまず見つからない。非常に困った状況ではあったがラシンティランテを本命に据える。特に3連単馬券を購入するにあたっては、軸馬を見誤らない事が第一歩となるが、複勝圏内への安定感という意味でこの馬を選んだ。
2走前の札幌2歳Sでの5馬身差負けが気にならない訳ではなかったが、ひとまず牡馬と混じって1800m戦を経験できたことを評価。そして何より、前走での勝利が後押し。京都のマイル戦を中団から1分34秒の好時計で鮮やかに差しきった。それと同様のレースが出来れば当然、結果はかなり期待が持てる。複勝圏内の可能性は他馬よりも濃厚といえそう。

 ファンタジーSの勝利馬はあまりこのレースに直結しないが、それでもアイムユアーズは実績的にも信頼できそう。函館2歳Sではファインチョイスに敗れたが、前走でしっかりリベンジ。その勝ちっぷりが後方からしっかり伸びてのもの。直線の長いこの舞台ではやはり確実な末脚は大きな武器になる。このレースに5頭が出走してきている中での勝利でもあり、その点についても好感がもてる。

 気になったのがイチオクノホシ。いくらこのレースは差し馬が有利とはいえ、追い込み一辺倒では苦しい。この馬は追い込んでのレースが続いてはいるが、出負けした結果であるともいえる。まともにスタートを切れれば前走でみせた33秒台の末脚はやはり脅威。もっとも、その末脚も後方一気であるがゆえの賜物であるかもしれず、前に位置すれば、その分、末も鈍る可能性も否めない。
ただ、その点を考慮にいれても、鞍上デムーロ騎手で、どうにも一発ムードが漂う。

 前走1番人気を裏切って敗れたアナスタシアブルーだが、最後はよく追い上げていたし、その差も1馬身差。そう悪い内容ではなかった。ここ2戦安定してよい脚を使えてるので、大崩れもなさそうなタイプだ。人気的にも手頃で旨味があり狙い目。
鞍上は藤岡康太騎手。本命をラシンティランテとしたが、兄の初G1制覇に華を添えるワンツーも見れるかも知れない。いや、それどころかさらに2勝目で差をつけてしまう可能性だって十分にありえるだろう。

 やや穴っぽいところでトーセンベニザクラ。前走の赤松賞では、東京コースの荒れた直線内側をすごい脚で伸びてきた。さすがに最後はツツ一杯となり、結果的には薄氷の勝利となったが、時計的には申し分なく、非常に強い内容だったといえる。
ダイワメジャーの初年度産駒で、ここまでは好調な結果が続いている。同父のエピセアロームが人気だが、私にはこちらの方が魅力的に映る。

 内の先行馬アンチュラスも無視できない。最後はアイムユアーズに差されたとはいえ、ハイペースの中、大きくバテることなくしっかりと最後まで我慢できた。
ファンタジーSの1~3着馬はほとんど地力的に差がなさそうに見えるが、この馬はその中で最も人気がない。もっと評価されてもいいように思える。

 同様にファンタジーS 2着馬ファインチョイス。前述の通り、今年のファンタジーSの上位馬は一定の地力があるとみている。アイムユアーズには土をつけられたとはいえ、まだ決着はついていない。叩いてここでどこまで変わってくるか見もの。

 エピセアロームは何とも大味だが、豪快さはある。戦ってきたメンバーの質は高く、逃げて圧勝したかと思えば、前走は大外をブン回しての勝利。
人気の割に休養明けとその未熟さに危うさを感じ、ここまで評価は下げたが、その地力はかなり高いものがあり、ここまでの成長ぶりによってはもちろん頭までありえそう。

 他、人気どころでは、ジョワドヴィーヴルはブエナビスタを彷彿させる非凡な末脚が怖いが、前走のレースそのものは平凡。人気が無ければ一考したいところだが、いかんせんこの人気では手が出ない。サウンドオブハートもしかり。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

軸2頭マルチ:

12=11
→08,10,15,01,05,16
(36点)

12=08
→11,10,15,01,05,16
(36点)

 正直このメンバーではこれといった軸馬不在の状況で、3連単での的中はかなり困難といえよう。かといって、ボックス馬券で勝負するのもリスクが高い。一定の割り切りが必要。点数を絞るというより、軸馬をしっかり据えることで対応したい。

 3連単2頭軸マルチながしで、ラシンティランテからアイムユアーズ、イチオクノホシと相手を代えて。ヒモは手広くいきたい。 余裕があればアナスタシアブルーの相手も視野。

2011/12/4 3歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 11R
    阪神
  • ダート1800m
    右回り
  • 稍重
    見込み
コース図
当日は下り坂の天気。重目残れば、脚抜きはよくなる。阪神開催移行後も傾向に変化無く、地方競馬場と異なり、中央コースでは先行一辺倒での押し切りは難度は高まる。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   マカニビスティー 牡4 57.0 藤岡 佑介
1 02   ソリタリーキング 牡4 57.0 メンディザ
2 03   エイシンダッシュ 牡5 57.0 小牧 太
2 04   ラヴェリータ 牝5 55.0 武 豊
3 05 × テスタマッタ 牡5 57.0 四位 洋文
3 06 エスポワールシチー 牡6 57.0 佐藤 哲三
4 07   ダイショウジェット 牡8 57.0 柴山 雄一
4 08   バーディバーディ 牡4 57.0 プレブル
5 09 ワンダーアキュート 牡5 57.0 和田 竜二
5 10   フリソ 牡5 57.0 ルメール
6 11   ミラクルレジェンド 牝4 55.0 岩田 康誠
6 12 × ニホンピロアワーズ 牡4 57.0 酒井 学
7 13 ダノンカモン 牡5 57.0 福永 祐一
7 14   ヤマニンキングリー 牡6 57.0 デムーロ
8 15 × トウショウフリーク 牡4 57.0 池添 謙一
8 16 トランセンド 牡5 57.0 藤田 伸二
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
MH
ミドルハイ
とにかく先行勢が強力。スムーズなら後方からでは届かないのは明白で、必然的にペースは早くなる。
信頼度
B
一騎打ち
2強一騎打ちは濃厚。ただ、先行激化した場合は後方待機馬による漁夫の利も・・・
予想本文 

 現時点でのダート王はエスポワールシチーでもトランセンドでも、フリオーソでもなく、スマートファルコンであることは異論がないところ。
ただ、この4強の戦いに決着がついたとはまだ誰も思っていない。特にスマートファルコンとは是非中央の舞台でみてみたいのだが、それは叶わなかった。
その代わりといってはなんだが、暮れの東京大賞典では有馬記念を凌ぐ盛り上がりを見せるべく、ここも熱いレースを期待したい。

 大外枠となってしまったトランセンドを敢えて本命に据える。
確かにこれまで勝ち馬のいない大外枠は痛い。だが、今回の場合必ずしも不利と言えるだろうか。
逃げるトウショウフリークを捕まえに行く2番手をマーク差しするなら、エスポワールシチーを先に行かせる方がよいようにも思える。もちろん相手は強力。届かないリスクも生じるが、南部杯がそうだったように、この馬は最近控えるレースができるようになってきている。
何よりこの馬の二の脚には、毎回驚かされている。前走JBCクラシックでも、スマートファルコンをあそこまで追い詰めた様は驚異的だった。ローテ的にはややキツいが、ここがピークとも言え、体勢に不安はない。

 エスポワールシチーは、2走前の南部杯ではハイペースの中、最後はかわされたとはいえ大きく崩れることない4着。一呼吸おいての始動戦としては十分な形だった。そして前走では、このレースでも有力馬となるそうそうたるメンバーの中、きっちりと完全復調を印象づける圧勝をしてみせた。当面のライバルは南部杯で敗れたトランセンドだが、今度は主戦の佐藤騎手に戻り、相手よりも好枠も引いた。同型だけにどちらが先に行くかというところだが、おそらく先にいって迎え撃つ形となるはず。前走同様、並ばすことなく引き離すことが理想。

 強力な2強の一騎打ちの後を伺うダノンカモン。最近は3~4番手の前方の競馬もできるようになったが、本来は後方差しタイプ。当日の雨で脚抜きよくなれば当然ゴール前急襲が可能。阪神コースの実績があるのも好感。前走は1番人気を裏切る取りこぼしを見せたが、この馬もG1勝ちがあってもおかしくない地力の持ち主。2強と渡り合える確たる実績を残しているのもこの馬だけだ。ただ、マイル以上の実績はないので、距離1800mをどうこなすかがカギ。

 ワンダーアキュートは今回かなり好条件が揃っている。叩き2走目で上積みが見込める上に、当日の天候は下り坂、得意の阪神コースで馬場渋化してくれれば、まさに願ったり叶ったり。前走はエスポワールシチーに4馬身差。今回はそれをどこまで縮めてくるかだが、スムーズならかなり期待はできそう。

 ニホンピロアワーズは突出した特徴があるわけではないが、高いレベルでまとまっている印象がある。こういうタイプは相手なりに走る可能性がある。ここまでの実績はまだもの足りないが、その安定して成績は評価できる。

 姉スイープトウショウは切れ味の馬だったが、トウショウフリークは一頓挫から復帰後はダートで逃げて逃げての5連勝。前走で土がついたとはいえ、エスポワールシチーに逃げを潰されての2着は胸を張れる。今回は2強の格好のターゲットとされるわけだが、前走の粘りがあるなら、3頭だけの「行った行った」も可能かも知れない。

 休養前の地力ならテスタマッタもそう見劣りはしない。前走は負けすぎだが、折り合いを欠いてのものだけに、ペースのあがる今回はもう少しやれるはず。

 本来はヤマニンキングリー、ミラクルレジェントらも怖いところだが、鞍上のせいか、思った以上に人気しており、今回は思い切って見送りたい。

馬券と総評
推奨馬券 総評

3連単

1-3着ながし:

1着:16
2着:13,09,12,15,05
3着:06
(5点)

1-2着ながし:
1着:16
2着:06
3着:13,09,12,15,05
(5点)

1着:06
2着:16
3着:13,09,12,15,05
(5点)

 トランセンドとエスポワールシチーのどちらが前に行くか。それにトウショウフリークがどうからむかがレースを左右する。
このあたりが道中で喧嘩しなければ、ハイペースであっても2強の一騎打ちは濃厚とみる。
ただ、このJCダートは1番人気の連対率は高いが、すんなり1、2番人気で決まったことはない点は気がかり。

 おそらく手広くいけば、トリガミ(元本割れ)でない限り、的中はたやすいだろう。それだけに絞り込んでの金額勝負となる。
やや、変則的だが、2番手つけたエスポワールシチーをトランセンドと連れてもう一頭が差しきるというシナリオで、トランセンドとエスポワールシチーの1着、3着ながしを本線とする。
押さえではトランセンドとエスポワールシチーの1、2着ながしの裏表。

2011/11/27 3歳以上オープン 定量 指定 国際
施行コース
  • 10R
    東京 C
  • 芝2400m
    左回り

  • 見込み
コース図
基本的にはマギレの生じにくい素直に地力勝負となるコース形態。一方、スローになりやすく、長い直線で差しも十分届くとは言え、極端な追い込みは通じにくい。
馬柱
馬名 性齢 斤量 騎手
1 01   ジャガーメイル 牡7 57.0 四位 洋文
1 02 ブエナビスタ 牝5 55.0 岩田 康誠
2 03   ローズキングダム 牡4 57.0 メンディザ
2 04 × オウケンブルースリ 牡6 57.0 蛯名 正義
3 05   トレイルブレイザー 牡4 57.0 武 豊
3 06   トゥザグローリー 牡4 57.0 福永 祐一
4 07   ペルーサ 牡4 57.0 横山 典弘
4 08 × ヴィクトワールピサ 牡4 57.0 デムーロ
5 09   サラリンクス 牝4 55.0 スミヨン
5 10   キングトップガン 牡8 57.0 戸崎 圭太
6 11   ミッションアプルー 牡7 57.0 エスピノ
6 12 ウインバリアシオン 牡3 55.0 安藤 勝己
7 13 デインドリーム 牝3 53.0 シュタルケ
7 14 × シャレータ 牝3 53.0 ルメール
8 15 エイシンフラッシュ 牡4 57.0 池添 謙一
8 16 トーセンジョーダン 牡5 57.0 ウィリアム
*騎手の赤字は乗り替わり
予想ペース
S
スロー
海外ホースがハナとなりそうな展開。逃げるペースが不明も、スロー ペースはほぼ間違いなさそう。
信頼度
D
混戦
実力伯仲の好メンバー。展開ひとつで順位もかわりそう。
予想本文 

 凱旋門賞の1,2着馬が参戦し、ドバイWCホースは日本馬、脇を固めるのもG1ホースがずらり。
なかなかに豪華な顔ぶれの今年のジャパンカップ。だが、個人的な主観と断った上で、どうも今ひとつ頂上決戦という感に乏しい。ここにオルフェーブルやスノーフェアリーがいないことがその想いに拍車をかけているのかもしれない。
とはいえ、なかなか見れるものではないので、純粋に楽しみたい。

 今回、もっとも注目したいのがウインバリアシオン。3戦連続オルフェーブルの2着となったが、これはオルフェーブルという圧倒的1番人気の目標がいたからこその成績なのか否か。また、この馬の結果如何でその三冠馬のスケールも測られることとなる。
ジャパンカップは強い先行馬が有利で、それに加えスローペース必至。その点で後方からレースを進めるこの馬を本命にするのはややためらわれたが、33~34秒台の末脚には確かなものがあり、一定の信用を置いてよさそう。古馬との地力差はまだ不明な状況であり、この馬自身、勝ち切れていないが、他馬も同じようなものなので、ここは3歳の未知の魅力に賭けてみたい。
なにより馬券的には地味な存在故にオッズ的旨味が高く、ここはあえて高めに評価して臨みたい。

 前走、ついに国内戦で複勝圏内を外す4着となったブエナビスタ。休養明けでぶっつけだったこと、10キロ減という状況下で、それでも直線はじわじわ伸びて地力と性能の高さを見せつけた。今回は一叩きされて当然上積みに期待となるところではあるが、それでも前走4着になったという事実は覆らない。そこは割引き材料には違いないのだが、岩田騎手の勝利への執念と、好枠を引いた点で相殺させてもらった。
また、安定感は随一なので、その点も評価したい。今更付け加えるまでもないが、昨年は降着とはいえ、その内容は圧勝だったことを忘れてはならない。

 凱旋門賞でヒルノダムールどころか、あのスノーフェアリーをもぶっちぎり、レコード勝ちをしてしまった3歳牝馬、デインドリーム。この馬の参戦は一競馬ファンとしてがうれしい限り。
だが、とにかく、このジャパンカップというレースは凱旋門賞馬にやさしくない。スノーフェアリーに圧勝したことは日本の軽い馬場への適性を裏付けるものではない。また、凱旋門賞以外は、ドイツ、イタリア主体の実績だけにどうにも判断もしづらい。とはいえ、いずれも圧勝に次ぐ圧勝であり、このメンバーなら実績は随一で、斤量も53キロだ。それだけにここもあっさり勝利すれば、それはそれで痛快ではあるのだが、やはり危険な人気馬であることは変わりなく、単穴評価までが妥当なところか。

 前走天皇賞・秋はかなりのハイペース。そんな中、先行勢としては唯一6着と粘ったエイシンフラッシュ。一旦は先頭に立って見せ場も作った。昨年のこのレースでは大敗を喫し、有馬記念ともども散々な結果に終わった。その点に不安を残すことは確かだが、今度は叩き2走目の上、距離も伸び、スローペースとなれば、今回先行するとは限らないものの、前回よりレースがしやすいのは間違いない。切れるといったタイプの馬ではないので、スローペースがこの馬にとって必ずしも良い方向に影響するとも限らないのが少し気になる。

 トーセンジョーダンの「もう一丁」は十分ありえる。本来は距離が伸びてこそと思われていただけに、今回の距離延長はもちろん歓迎材料。前走で土をつけたにも相手に人気で劣っている状況だが、前走の勝利は相当の重みがある。比較的勝ちきれないメンバーが揃っている今回のメンバーにおいて、9勝している実績も十分胸を張れるもの。

 こと日本の高速馬場への適性という点ではデインドリームよりあるかもしれないシャレータ
先行脚質も有利に働く展開が予想され、前残り警戒。

 実績が少ないとはいえ、ヴィクトワールピサも国内では馬券対象から外れたことはない。
いくらなんでも、脚部不安を抱え半年以上のぶっつけで勝てるほど甘いレースではないとは思うが、連下では一考の余地がある。

 一度は見限ったが、少し復活気味のオウケンブルースリにも鞍上が変わって今回は1票投じてみたい。

 どうみても人気しすぎのペルーサ、折り合い懸念を抱えながらも好調気配のトゥザグローリーも怖いところではあるが、今回はスローペース必至なだけに無印とした。

馬券と総評
推奨馬券 総評
3連単

BOX:

12,02,13,15,16
(60点)

軸2頭マルチ:
12=02
→13,15,16,14,08,04
(36点)

 海外参戦組を除けば、基本的には天皇賞・秋の再戦の構図。このレースの上位馬の実力差は拮抗しているが、概ね信頼できる地力を有しているだろう。しかし、前回から距離が伸びる事に加え、ハイペースからスローペースに変わる。同じ東京コースとはいえ、これは結構大きな違いで天皇賞・秋と同じ結果になるとはちょっと想像しにくい。くわえてここに凱旋門賞1,2着馬やドバイWC馬、クラシック準2冠馬が加わってくる。当然ながら難解なレースとなる。

 本線は、◎から△までの3連単5頭BOX。それにウインバリアシオン+ブエナビスタの2頭軸マルチながしで挑みたい。

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bakusuinobitaです。
一応、「小心無用」がポータルページになっております。

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中央競馬のG1レースのみを限定して適当な予想を書いております。

2010年より、本ブログスタイルに移行しましたが、それ以前のものは「PakaPakaParadise」においてあります。
もっと前のは公開してません。もう色々めんどくさくてあきらめました。

後、定番のご注意ですが、適当にやってる以上、色々間違いはきっとあるので、馬券購入の際などは主催者側の発表にてご確認下さい。

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  115. 2010年12月 [8]
  116. 2010年11月 [7]
  117. 2010年10月 [7]
  118. 2010年6月 [4]
  119. 2010年5月 [10]
  120. 2010年4月 [4]
  121. 2010年3月 [2]
  122. 2010年2月 [2]

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